好調の「アサヒ 颯」、華やかな香りを生む製茶工場と茶畑を公開/アサヒ飲料

アサヒ飲料「アサヒ 颯(そう)」
アサヒ飲料「アサヒ 颯(そう)」

アサヒ飲料の緑茶飲料「アサヒ 颯(そう)」(620ml/2LPET)は、4月4日の発売以来、好調な販売を続けている。

微発酵茶葉(萎凋緑茶)を一部使うことで、今までにない華やかな香りを楽しめる商品。アサヒ飲料は5月15日に静岡県島田市の茶畑と製茶工場を報道陣に公開した。

「アサヒ 颯」は、4月の販売数量が約150万箱となった。これは、同社新商品の発売初月実績としては、過去10年間で最高だ。広告タレントにプロバスケットボール選手の八村塁さんを起用するなど、積極的なコミュニケーションを展開しているが、生活者に支持されているのはこれまでの緑茶にない香りだ。

「颯」に使用する微発酵させた「萎凋緑茶」は、静岡県内にある製茶メーカーの製茶工場で生産されている。通常の緑茶は、茶畑から集めた茶を蒸らして揉み込み、その後に一気に乾燥させるため約4時間で仕上がるという。だが、微発酵した「萎凋緑茶」にするためには、集めた茶葉を日陰で干す必要がある。

「颯」は清涼飲料のため販売ボリュームが大きく大量の萎凋緑茶が必要だが、この製茶工場では自動化した設備で約9時間かけて微発酵させている。その後、釜で炒めて発酵を止め、そこから揉んで乾燥させるため、仕上がりに半日かかる。通常より手間と時間のかかる工程だ。

静岡県島田市の製茶工場
静岡県島田市の製茶工場

この製茶メーカーによれば、もともと「萎凋緑茶」の製造設備を準備していたのは、発酵したお茶を好む中国へ付加価値の高い商品として輸出することを検討していたためという。それが今回、アサヒ飲料との出会いにより、香りにこだわる新しい緑茶の「颯」に使用されることになった。

素材となる茶葉は、摘んでから製茶工場に運び込まれるまで3時間以内の新鮮な状態のものを使用している。同工場にほど近い茶畑では、「颯」にも使用されている品種の「べにふうき」が栽培されていた。同品種はこの周辺で約60haを栽培しているという。

「萎凋緑茶」をつくる茶畑では「颯」にも使用される品種「べにふうき」など栽培
「萎凋緑茶」をつくる茶畑では「颯」にも使用される品種「べにふうき」など栽培

アサヒ飲料は、2021年から2年以上にわたり、1万2000人に対して無糖茶に関する調査を実施し、顧客の嗜好の変化を捉えて「颯」を開発した。CMなどで若年層からの支持が広がっている。今後は素材と製法へのこだわりを伝え、40~50代の支持も集める考えだ。

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