シルバーライフ、若年層向け冷凍弁当「ライフミール」を立ち上げ、自社ブランドと共に受託製造にも注力/清水貴久社長インタビュー

シルバーライフ「ライフミール」
シルバーライフ「ライフミール」

高齢者向け配食サービスなどを手掛けるシルバーライフは、2023年3月に若年層向けの冷凍弁当「ライフミール」の販売を開始した。若年層向けの冷凍弁当が支持されていることを受け、新たに挑戦することにしたという。また、新規のOEM(受託製造)も受け付けており、更なる販売の拡大を目指す。清水貴久社長に聞いた。

シルバーライフ・清水貴久社長
シルバーライフ・清水貴久社長

――冷凍食品の需要をどう見ていますか。

冷凍自体の市場は広がっていて、冷凍弁当も広がっていると感じる。他社でも売上は着実に伸長していて、新規参入企業も増加しており、競争は激しくなっている。

――貴社の特徴は。

FC加盟店は配食サービスを手掛ける企業では最大の規模を持ち、自社工場を構えて製造から保管、発送までを一括に行えるため、良い商品を安く提供できる。約2年前に稼働させた第2工場のおかげで生産性は大きく向上している。また、冷凍弁当の販売を強めると同時に、新規でOEMの受注を強めている。他社の場合、自社ブランドの強化が優先されるが、当社はOEMにも力を入れている。黒子のようにサービスのお手伝いを行っており、さまざまな需要を取り込めている。両面で販売を広げたい。

――工場の生産食数は。

1日あたり5万食を製造できる。電気代の高騰など厳しい部分もあるが、生産量が増えているほか、大型の設備投資を行ったことで、生産性を高めながら単価を下げられる状況にある。効率自体も向上している。

――冷凍弁当を開始したきっかけは。

市場としてまだ拡大する可能性があると思い取り組んでいる。さまざまな冷凍弁当が販売されている中、ネット通販のノウハウはそこまでなかったので、独自にネット広告を作成するなどしてノウハウを蓄積してきた。商品そのものは自分たちで作っているので自信はあった。着実に販売は広がりつつあるので、専門のマーケティングチームを作って販売を広げている。「ライフミール」の場合、色味のある具材を使うなど、若年層を意識した商品開発を進めた。

これまでは高齢者向けの商品を多く手掛けていたため、これまでとは異なるメニュー開発に取り組んだ。写真に映えることも意識し、色味だけでなく具材感にもこだわった。若者が良く見る媒体や、インフルエンサーを起用したPRなども検討している。今はネットでの販売が中心だが、将来的には1,000店のFC加盟店を活かした配送網を構築できればと思う。

――今後の取り組みは。

今の売上を2倍、3倍と伸ばせるようにしたい。広告を仕掛け、良い商品を送り出していく。通販は一時的にダウントレンドではあるが、食品の価格は高騰しており、その中で値ごろで良いモノは受け入れられると考えている。さまざまな失敗もあったが、それを積み重ねて少しずつ結果も出ている。また、OEMにも力を入れており、さまざまな企業の支援にもつなげられればと思う。参入を検討している企業などへのアドバイスも将来的には視野に入れている。

冷凍弁当の市場は決して大きくなく、大企業が自社に製造ラインを作っていない状況だ。その中で、高齢者向けの弁当サービスを行ってきたノウハウを生かし、良いモノを安く提供できるようにしたい。

〈冷食日報2023年5月17日付〉

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近年の冷凍食品をめぐる情勢は、共働き世帯の増加や家族構成の変化、また飲食店や量販店の惣菜売場の多様化によって需要が増加しています。一方で、家庭用冷凍食品の大幅値引セールの常態化はもとより、原料の安定的調達や商品の安全管理、環境問題への対応など課題は少なくありません。冷食日報ではこうした業界をめぐるメーカー、卸、そして量販店、外食・中食といった冷凍食品ユーザーの毎日の動きを分かりやすくお伝えします。

創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
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A4判 7~11ページ
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