「お〜いお茶 〇やか(まろやか)」誕生、若者世代のファン拡大に挑戦/伊藤園

開発に携わった千葉大学「若者プロジェクト」のメンバー(左から)松本ななみさん、柴崎真里さん、栗尾倭さん、齋藤可南子さん
開発に携わった千葉大学「若者プロジェクト」のメンバー(左から)松本ななみさん、柴崎真里さん、栗尾倭さん、齋藤可南子さん

伊藤園は5月29日、「お~いお茶 〇やか(まろやか)」を発売した。

「爽やかな香りとまろやかな甘み」「若者の価値観」をキーワードに開発した緑茶飲料。アイテムはドリンク(460mlPET)とティーバッグ(24g・8袋入)の2品。国産一番茶100%を使用している。CMには若年層に人気の俳優、曽田陵介(そたりょうすけ)さんと松本怜生(まつもとれお)さんを起用した。

CMに出演する松本怜生さん(左)と曽田陵介さん
CMに出演する松本怜生さん(左)と曽田陵介さん

「お~いお茶 〇やか」は、若者の価値観や緑茶飲料に求めるニーズを分析して誕生したという。伊藤園は4年前から千葉大学デザインマネジメント研究室の学生・院生とともに“若者の心をお茶色に染める”をテーマにした「若者プロジェクト(共同研究)」を月1~2回のペースで進めていた。実際に茶畑に行くなどの活動をする中で、若者世代は日常の休息シーンで、水出しでいれた新茶のような味わいの「爽やかな香りとまろやかなあまみ」を求める傾向であることを突き止め、プロジェクトの延長で商品化したという。

パッケージには、若者とともにつくった「若者専用」の“まろい”緑茶製品であることを直感的に伝えるため、「スーパー楕円」デザインを採用した。5月26日の商品発表会に参加した千葉大学のプロジェクトメンバーは、「大胆なパッケージデザインの採用など、伊藤園のみなさんが本気で若者向けの緑茶飲料を作りたいという熱意が伝わってきたので、私たちもとことん若者の価値観の深いところまでお伝えできるように全力で取り組んできた」と話した。

伊藤園「お〜いお茶 〇やか」
伊藤園「お〜いお茶 〇やか」

プロジェクトに参加した学生らによれば、昨今の若者世代は、スマートフォンなどを通じて常に世界中の情報にアクセスが可能な生活環境が当たり前である反面、複雑化する情報社会の中で日常の“つながり”からの解放(チル)を求める人が増加しているという。「お~いお茶 〇やか」は、お茶と若者の接点を見直し、晴れやかな茶畑の中で飲むような緑茶製品を目指した。

「お~いお茶」ブランドは2022年度の販売数量が9000万箱を突破し、過去最高を記録するなど好調だ。ただ、メインユーザーは中高年世代のため、持続的な成長に向けてはZ世代を中心とした若者世代へのアプローチが課題だった。そこで同社は若者世代のファン拡大に取り組んでいる。

2023年1月には、若年層に人気のデザイナーを起用した「お~いお茶」桜パッケージを発売し、2月には桜が香る緑茶「さくら緑茶」を数量限定販売した。4月には日本茶ベースのフルーツティー「晴れのち曇り時々お茶」を、5月にはアニメーション調のイラストを採用した「お~いお茶 新茶」を発売した。

伊藤園マーケティング本部緑茶ブランドグループの安田哲也ブランドマネジャーは次のように語る。「若者との接点を高めることが茶業界の発展につながると考え、若者世代ファンの拡大に取り組んでいる。若者世代にお茶の素晴らしさ、日本茶の素晴らしさを伝えたい。新商品は若者に向けた新たな挑戦だ」。

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発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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