オムニフーズ、代替シーフードを本格的に市場投入、海外では大手チェーン店に採用
香港のグリーン・マンデーグループ傘下のフードテック企業、オムニフーズ(OmniFoods)は、代替肉に加え、本格的に魚の代替食品の販売に力を入れる。
オムニフーズは北米、西ヨーロッパ、東アジアを中心に世界20カ国で、植物性代替食品を展開している。中でも、魚風食品は、日本以外の国では導入実績があり、米国、カナダ、イギリスに加え、アジア圏など11マーケットで採用されているという。
海外では、積極的にプラントベースフードに取り組んでいるファーストフード店などから引き合いがあり、メニュー導入が進んでいる。香港では、マクドナルドやスターバックスコーヒーなどの大手チェーン店にも採用されており、東南アジアでは特に好評を得ているとしている。日本に比べて香港は、健康、宗教、持続可能性への配慮の観点から、動物性食品の消費の削減に取り組むフレキシタリアンが多いことから、市場への導入がスムーズに進んでいるようだ。
グリーン・マンデー日本事務局代表の天野夏海氏は、「日本でもツナ風缶詰はすでに発売しており、寿司の具材やツナサンドなどへの導入が進んでいる。今後はツナ風缶詰に加えて、白身魚風フィレやフライ、スティック、蟹の身風パティなどの新商品を投入する予定だ。漁獲量の減少や水産資源の保護などがきっかけとなり、日本でも今後さらに注目されてくるはず」と力を入れる。
天野氏によれば、海外で先行発売していた「オムニフィッシュフライ(海外商品名Golden Fillet)」は2022年にモンドセレクション銀賞を受賞しており、風味はもちろん、簡単でスピーディに調理できることなども評価されたとしている。
また、「特に評価されたポイントは、従来の魚風食品に特徴的でなかった、白身魚独特のほろほろとしたフレイキー(サクサク、ほろほろ)な食感の再現度だ。植物性なのに魚の喫食体験が楽しめる。そうしたエンターテインメント性がシーフードシリーズにはある」と天野氏は説明する。
原材料は主に大豆たん白やえんどう豆たん白を使いながら、椎茸などで豆独特の臭みをマスキングしている。保存料無添加で抗生物質無添加。オメガ3脂肪酸も含有している。
シーフードシリーズの新アイテムを使った調理例では、のり弁、フィッシュバーガー、フィッシュ&チップスなどを提案し、業務用として、外食チェーン店などへの導入を促し、これまで海外で培ったノウハウを活かしながら、日本国内への市場投入に一層の力を注ぐ構えだ。
〈代替肉「オムニミート」はホテルや都市部の外食店舗に導入進む〉
日本における代替肉「オムニミート」の導入状況は、業務用を中心に、ホテルや都市部に店舗を持つ外食業者からの引き合いが増えているという。現在、ミンチタイプとミンチタイプを使った冷凍餃子を販売している。
ミンチに関しては、ハンバーグやミートボールとして使われるケースが多い。天野氏によれば、日本ではまだ、ベジタリアン、ヴィーガン以外のマス層が成熟していないという。導入のピークはもう少し後半になるのではないかとみており、乾燥の大豆ミートに比べて、つなぎ無しで成形できることや、下処理などをせずにすぐに使える点などの差別化ポイントを訴求することで、一層の導入を促していきたいとしている。
香港やマカオのマックカフェでは、ランチョンミートタイプなどの製品も導入が進んでいるとし、日本でも代替肉の消費量が今よりも増加するタイミングで、ミンチタイプ以外の代替肉のアイテムも導入していきたい考えを示している。
〈大豆油糧日報2023年6月5日付〉