お米と混ぜて炊くだけでカロリー抑える「マンナンヒカリ」、誕生のきっかけは産婦人科医の声/大塚食品
大塚食品の「マンナンヒカリ」は、お米と混ぜて炊くだけで糖質とカロリーを30%カットし食物繊維もとれる、こんにゃく粉などを原料とする米粒状加工食品だ。
大塚食品によれば、「マンナンヒカリ」入りのごはんを1日3膳で計算すると219キロカロリーをカットでき、この消費にあたる運動はランニング約30分に相当するという。また、食物繊維は1膳で5.3g摂ることができる。
発売から22年目となる今年、日経POSの2023年4月実績は「その他栄養補給食品」のカテゴリーで1位、インテージJANランキングの1-4月実績は「雑穀関連」のカテゴリーで3位となった。
ロングセラーとなった「マンナンヒカリ」だが、開発のきっかけは医療現場からのニーズだった。妊婦さんの太りすぎは出産に好ましくなく、また、お通じが悪くなるという悩みが多いことから、カロリーカットできて食物繊維を多く摂れる食事の開発を、産婦人科医が大塚側に要望したという。
そこで、大塚食品は1992年から主食である“ごはん”で課題を解決できないかと考え挑戦を始めた。食べる頻度が高く、続けやすさを考えたためだ。
開発では、カロリーがあまり高くなく、日本人になじみがある食材を探したという。製品部でマンナンヒカリ担当の伊藤紫麻さんは次のように話す。「毎日安心して食べられることを条件に、当初は寒天などさまざまな食材の使用も検討されたが、最終的にはこんにゃくが選ばれた」。
「こんにゃくは黒い粒があり、独特の匂いもある。だが、何十種類もあるこんにゃく素材から厳選してその課題をクリアした」。
ごはんに近い味わいや適度な粘りある食感、限りなくお米に近い外観や、冷凍保存できることも特徴となっている。
1999年に前身となる「マンナン小町」を関西地区で発売。2001年に「マンナンヒカリ」の名称で糖尿病患者向けの特別用途食品として発売した。
その後、2008年4月から「メタボリックシンドローム検診」が始まりニーズが高まったことを受け、一般食品としてスーパーや量販店などに販売を広げていった。外食や企業食堂、学食などでも扱われるようになっている。
現在、大塚食品は「マンナンヒカリ」をさらに多くの人に知ってもらうため、コミュニケーションを強化している。
イメージキャラクターには麒麟の川島明さんを起用し、動画広告やSNSキャンペーンを展開。“いつものごはんに糖質カットをプラス”のメッセージで認知拡大をはかる。
伊藤さんは次のように語る。「“マンナンヒカリ”は、糖質とカロリーをカットし食物繊維をプラスする食品。その特徴を広くお伝えし、人々の課題解決に貢献したい」。