日本メディカル給食協会、厚労省保険局長と老健局長に食事に関する費用の見直し、求める

(左から)菅井正一理事と伊原和人保険局長、平井英司会長
(左から)菅井正一理事と伊原和人保険局長、平井英司会長

全国の病院・介護施設などの食事提供に取り組む企業が加盟する日本メディカル給食協会の平井英司会長(日総代表取締役)と菅井正一理事(日清医療食品副会長)は6月27日、厚生労働省を訪問し、同省保険局の伊原和人局長に診療報酬改定に係る入院時食事療養費の見直しを、同省老健局の大西証史局長には介護報酬改定に係る基準費用額(食費)の見直しを要望した。

保険局長への要望書によると、2017年10月に中央社会保険医療協議会で報告された「入院時食事療養の収支等に関する実態調査」において、医療機関は運営形態を問わず赤字となっている。また、2015年からは、医療機関が給食企業に支払う委託契約金額が入院時食事療養費を上回っており、同様に赤字であることが明らかになっていると説明。

赤字の要因については、「食材料費・人件費・光熱水費が上昇し続けるなか、入院時食事療養費は1998年以降、消費税増税に伴う増額もなく、反対に1日単位から1食単位への算定見直しなど減額となっていることによる」と指摘。

「消費者物価指数が示すとおり、食事に係わる費用は上昇しているが、医療機関における食事提供においても同様である。あわせて26年間見直しがなされなかった現行の食事療養費では、治療の一環である患者様への食事提供という社会的使命を果たすことが出来なくなる危機感を強く感じている。さらに人口減・少子高齢化等による人員不足は当業界としても大きな問題であり、給与水準の見直しなど今後も強化し取り組まなければならない課題が山積している」とし、入院時食事療養費を適正な水準に見直すことを求めた。

一方、老健局長への要望書でも、介護施設の給食部門が赤字運営となっている問題を指摘している。その要因については、「食材料費・人件費・光熱水費等が上昇し続けるなか、制度導入時の設定額1,380円から現在に至るまでの19年間で65円のみの見直しに留まっていることによる」とし、「現行の基準費用額(食費)では、栄養価を満たし、嚥下・咀嚼等にも配慮し、また食べる楽しみや喜びを感じて頂くなど、介護を必要とされる高齢者の方々への食事提供という社会的使命を果たすことが出来なくなる危機感を強く感じている」と憂い、基準費用額(食費)の適正な水準への見直しを求めた。

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