「蕎麦処 大戸屋」業態参入、自家製麺機で「店打ち蕎麦」提供、健康志向のユーザー狙い、ロードサイド中心に出店進める
「ごはん処 大戸屋」を展開する(株)大戸屋(蔵人賢樹社長)は蕎麦業態に参入し、「蕎麦処 大戸屋」を東京都西東京市(6月23日)、神奈川県相模原市(7月13日)に出店した。定食の「ごはん処」、惣菜小売の「おかず処」に続く第三の柱として育成していく考えだ。
7月12日には相模原市の淵野辺店で報道向け発表会を開催した。蔵人社長は出店の経緯について、「蕎麦業態は昭和40~50年代創業の個人店が多く、後継者問題が課題。一方、チェーン店は立ち食いが主流で、業態のリメイクが進んでいない。また、外食でも健康ニーズが高まっている。低GIで食物繊維やルチンが含まれる蕎麦は、現代病である肥満の解決につながる。蕎麦業態は今後も続いていくべきだと考え、参入を決めた」などと語った。
商品マーケティング本部の村田知史副本部長によると、店のメインターゲットは性別・年齢問わず健康志向のユーザーや近隣のファミリー層。現在出店している2店舗はともに郊外のロードサイド型で、今後も同様の立地に出店を進めていく方針だ。
店内の「製麺室」では毎日粉から蕎麦を打ち、茹でたてを提供する。配合は蕎麦粉6:小麦粉4の割合だという。「一番美味しい状態で提供するために自家製麺機を導入した」(村田副本部長)。
メニューは「つけ蕎麦」「まぜ蕎麦」が中心。さらに、大戸屋がアメリカ・ニューヨークで運営する「天婦羅まつ井」のノウハウを活かした天丼や天ぷらせいろ蕎麦を提供する。生蕎麦の持ち帰りも可能だ。
「大戸屋の鶏つけ蕎麦(鶏あんかけ玉子とじ)」は税込980円、「“まつ井”天丼」は税込1380円。鶏つけ蕎麦は親子丼の具材をイメージした一品。天ぷらは薄衣が特徴で、遠赤外線を使用した専用フライヤーで揚げる。その他、納豆やめかぶなどをトッピングした「ばくだんまぜ蕎麦」税込980円、「五穀米アイス」税込330円なども。
村田副本部長は「蕎麦は古くからある素材で、今後もなくなることはないと考えている。今回協力していただいた製粉企業も非常に積極的だった。原料は今のところ外国産を使用しているが、開発を進めていく中で、国産も視野に入れていきたい」などと展望を語った。また、西東京市に先月開業した店舗では「想定より多くの来客があり、高い評価をいただいている」とした。
〈米麦日報2023年7月14日付〉