辻製油 辻会長が三重県県民功労者表彰を受章、「地域に貢献できる企業に成長したい」
三重県の県民功労者表彰を受章した辻保彦氏(辻製油会長)の受章記念祝賀会が7月28日、三重県松阪市のホテルで開催され、地元三重県の関係者ら約150人が参集した。
発起人は、石垣英一元三重県副知事、三林憲忠三重県中小企業団体中央会会長、谷川憲三三十三銀行名誉顧問、内田淳正元三重大学学長、田中善彦松阪商工会議所会頭。各氏あいさつでは、辻氏の清廉な人柄と突出した経営手腕、ビジネスや地域振興の多彩な功績を称えた。
開会に先立ち、県立松阪商業高校SBP(ソーシャルビジネスプロジェクト)同好会と皇學館大学の学生が制作したプロジェクションマッピングで、辻氏の生立ち、辻製油での歩みや業績、地域産業への貢献などを紹介した。
辻氏は「当社は輸入原料を扱って成長してきた。シカゴ定期や為替の変動などを日々見ていると、日本の食糧は大丈夫なのかという気持ちが湧き、国内資源がいろいろあることを思いついた。また、イラク戦争で燃料代が上がり、これはまずいと新規に考えたのがバイオマス事業だった。(バイオマスボイラー施設の蒸気を有効活用するため)うれし野アグリをつくってトマトを栽培している。10アールあたり約2000万円の売り上げを達成できた」など事例を紹介。
「地方を見渡せば資源がまだまだある。志摩半島でアロエ栽培を行っており、新たな事業になると考えている。『夢のある限り青春』という大好きな詩がある。こらからも夢を大きくもっていきたい。地域に貢献できる企業に成長したい」と尽きせぬ情熱を見せた。
発起人代表の石垣氏は、「三重県の産業の活性化、バイオマスの普及活動に尽力してきたこと、辻製油のさまざまな事業・新技術の開発が評価され、県下で最高の知事表彰を受章された。過去20年、『困ったときは辻さん』と支援してもらうと、辻マジックで出来の悪いプロジェクトが再生していく」と感謝し、「辻さんは80歳になったが若い。やりたいことがたくさんあり、夢をもって話してくれる。80歳になって新たなスタートを切る」とエールを送った。
来賓祝辞で一見勝之・三重県知事は、「食品、バイオマス、農業、多くの産業で三重県を支えてくれている。そのうち農業では、うれし野アグリをつくり、環境や働く人に優しい農業を展開している。それが辻会長の人柄を表している。三重県のために活躍してほしい」と話した。
〈大豆油糧日報2023年8月3日付〉