【豚価動向】盆休み需要の手当て一巡、600円台に戻すも、堅調相場つづく見込み
7月末に上物税抜きで600円台まで下落した豚枝肉相場は、8月に入って上昇し、先週金曜日から今週月曜日の2日間は、予想を上回る700円台相場に突入した。
増体不良などで依然として出荷頭数が少ないなか、盆休み前のギリギリになって、玉を確保するため買い気が強まったとみられる。もっとも、作業と配送を考慮すれば、8月7日~8日ごろがピークで、8月8日の東京市場は前市から90円下げて643円まで戻している。他市場も8月9日以降は一服するとみられる。
8月に入ってからの関東3市場は、1日629円(以下税別)、2日640円、3日661円とジリ高で推移してきたが、4日には704円を付け、翌週7日は728円とさらに上昇した。
関東3市場以外の主要市場でも700円台の大台を超えている市場も多い。末端サイドが消費の弱さから余分な在庫を持たないよう様子見を続けてきたなかで、盆休み直前になって手当ての動きが強まったためとみられている。
とくに、これまで動きは鈍く、荷余り感のあったカタロースやロース、バラの引合いが出始めており、焼材など汎用性の高いカタロースに至っては品薄感も強まっている。猛暑による増体悪化で出荷のキャンセルが散見されるなか、地方送り分を含めカタロースなど足りない分を集めようと、ここ数日で一気に買いが強まった形だ。また大貫正肉などは依然として引合いが強く、東京市場では等外でも600円前後の高値を維持している。
8月8日の豚価は、東京やさいたま、横浜、群馬では前市から下げたものの、仙台、茨城、横浜、山梨、神戸、広島などさらに一段上げとなった市場も多い。「きょうも買参人は多く来ていた。大手問屋は、まだ手当てが間に合っていないのでは」(市場関係者)との声も。
しかし、カット作業と配送を考慮すれば週前半がヤマ場となる。このため、8月9日は市場によってマチマチだが、8月10日以降は盆休み明けのポジションの仕入れにシフトしていくため、ジリ下げに転じるとみられる。
盆休み明け以降、基本的にジリ安の展開となりそうだが、この猛暑で増体不良がさらに悪化する恐れもあり、600円台前半とあまり大きな下げがないまま8月を終えそうだ。
〈畜産日報2023年8月9日付〉