低アルコール事業のSEAM社、新スパークリングブランド「AWANOHI」展開

SEAM「PEAR BRUT(ペアブリュット)」
SEAM「PEAR BRUT(ペアブリュット)」

低アルコール事業を展開するSEAMは、乾杯にふさわしい低アルコールの新スパークリングワインブランド「AWANOHI(泡の日)」の第1弾「PEAR BRUT(ペアブリュット)」を9月14日にリリースした。730ml瓶、3,900円(税込)。ECチャネル中心だが、飲食店や小売店にも販路を拡げる考え。

同社は「ココロを満たし、カラダにやさしいアルコール文化を創る」をミッションに掲げる。石根友理恵代表取締役が2017年に設立、低アルコール事業を立ち上げ、2021年にファーストブランドとなるクラフトカクテル「koyoi」をリリースした。

SEAM代表取締役 石根友理恵氏
SEAM代表取締役 石根友理恵氏

「koyoi」は、アルコール3%で、保存料・人工甘味料・着色料は一切不使用。フルーツやハーブを鮮度そのままのナチュラル製法で製造。現在、フレーバーは15種類。

デジタルチャネルメインのマーケティングにより、明確なターゲット層に情報を届けユーザーにしていく。ブランド運営はユーザー起点で行う。開発は、味わいから入るのではなく、シーンから入る「シーンペアリング」を採用。20~30代男女300人から、例えば「テラスで夕刻に本を読みながら飲みたいお酒」といったニーズから、それに合ったフレーバーや味わいを考えていく。スタッフとしてホテルに勤めていたソムリエも招聘することで、技術的な裏付けのある商品開発となっている。

〈飲めない人も乾杯にふさわしいお酒を〉

新ブランド「AWANOHI」も、「koyoi」の愛飲者からの「食事に合わせたい辛口がほしい」「パーティーなど大人数のところでみんなと楽しみたい」といった要望に応える。

「とある結婚式の場で、卓上の10名中5名が乾杯にジンジャーエールを注文していた。聞くと、この後の予定もあるから、ソフトドリンクかなあ、ということだった。飲めない人、あえて飲まない人にとってのふさわしい乾杯酒が現状ないことを実感した」「スパークリングワイン市場のうち、アルコール10%以上の商品が市場の90%を占め、ノンアルは数種類で、5%以下の商品はほぼ不在」「AWANOHIのコンセプトは、Happiness for every Cheersだ」(石根代表)。

一般的にスパークリングワインのアルコールは12%前後だが、3%という飲みやすい低アルスパークリング。フルーツを贅沢に使用することで、スパークリング特有の渋さを無くし、飲みやすさを追求。砂糖を用いず、フルーツの甘味のみを使用した自然な味わいとした。

第1弾「ペアブリュット」は、洋梨とぶどうのスパークリングワイン。国産のラ・フランスに加え、合計6品種の洋梨果汁を独自の配合でブレンド。洋梨のジューシーな味わいと、甘くない辛口テイストが共存する。ホタテのカルパッチョなど、あっさりした味付けの前菜やライトミールなど、アペタイザー料理との相性が最もよく、タラのバターソテーなど、魚介類や揚げ物も油っぽさが泡でほどよく消化され、爽やかな口当たりになる。

製造は喜久水酒造(長野県飯田市)。飲食店・小売店販売戦略は「koyoi」は約100店舗で取扱いされており、同時に「AWANOHI」も提案していく。リリース記念として、9月16~21日まで、渋谷のMIYASHITA PARKで、午前11~午後7時まで実店舗ストアをオープンしている。

渋谷のMIYASHITA PARKの実店舗ストア
渋谷のMIYASHITA PARKの実店舗ストア

11月には第2弾のフレーバーを発売。また、2024年4月には、自治体とコラボし、地元の酒蔵と地元産フルーツを使った新特産品プロジェクトも始動する。

なお、同社はこのたび、スマドリ社と「KOYOI」がコラボレーションして、Z世代向けカクテル「mellowl(メロル)」を発売したが、ECサイトでは2週間で完売したという。

〈酒類飲料日報2023年9月20日付〉

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昭和42年(1967年)8月
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昭和42年(1967年)8月
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