日本生ハム協会「生ハムのマニュアル」発売、国内初の生ハムのマニュアル本、生ハムの選び方・各国の製法・カッティング・歴史まで一冊で完全マスター
(一社)日本生ハム協会(JCHA、渡邉直人代表理事)は9月26日、日本初の生ハムの教本「生ハムのマニュアル」(発行所:ごま書房新社、定価:税込3850円)を発刊した。
日本生ハム協会は、長期熟成ハム(以下、生ハム)の正しい知識や取扱い方、関連する食文化の啓もう活動を行っている一般社団法人。
今回発売した「生ハムのマニュアル」は、スペインの生ハム業界の権威とされるヘスス・ベンタナス博士(JCHA海外顧問)の著書を翻訳したもの。主に生ハムをカットする職人「コルタドール」やソムリエなど生ハムの“エキスパート”を対象とした実践的な教本だが、そのほか、生ハムの食文化、品質要因、主な種類、相性の良い料理と飲料、栄養価など、製造業者や輸入販売者、一般消費者にも有益な情報が盛り込まれており、これ1冊で長期熟成ハムのすべてを完全マスターできるという。
生ハムの検品(カーラ)や伝統的なスライス工程、賞味期限、商品の管理とラベリングに関する法規制など実践的な項目が網羅されている。一方で、欧州(地中海地域、中央ヨーロッパ)や中国、米国で作られる生ハムの紹介といった情報なども分かりやすく紹介されている。
スペイン産とイタリア産の違いとして、外見の形態(スペイン産がバイオリン型:イタリア産は鶏のもも肉型)や、切断面(強いコントラスト:均一)、風味(高温による長期熟成で強い香り:マイルドでフルーティー)があるなど読み応えのある内容となっている。
「生ハムのマニュアル」の発刊を機に、9月21日には東京都港区のスペイン大使館で出版記念式典が開かれ、フィデル・センダゴルタ・ゴメス・デル・カンピージョ駐日大使をはじめフェルナンド・エルナンデス商務部所長、JCHAの服部津貴子最高顧問(服部栄養料理研究会会長)、花田利喜専務理事(アトム代表取締役)ら多数が出版を祝った。
式典で渡邉代表理事は、「日本国内には、オリーブオイルやワインの解説書は数多くあるものの、生ハムに関する本はほとんどなかった。今回、ベンタナス博士に手紙を書き、博士の著書の一部を引用させてもらうようお願いし、快諾を頂いた。生ハムに関するほとんどの知識がこのマニュアル本に入っている。これからは、プロの方や一般の方も生ハムの正しい知識とテイスティング方法を得ることができる」とし、出版に関わった多くの関係者に感謝の意を示した。
〈畜産日報2023年9月27日付〉