“蒸らす”でアルデンテを実現「パキット」/永谷園【食品産業技術功労賞】
永谷園の「パキット」は、電子レンジにより、麺をゆでることができるパスタソースだ。つまり、パスタもソースも一緒に、レンチンで作ることができる。
乾燥パスタをゆで、おいしい食感に戻すには十分な水分が必要となる。一方、パスタソースとしての品質(濃厚さ、味わい)を実現するためには、パスタソースの水分を極力減らす必要がある。この相反する課題をソースの品質と商品設計の2点で解決している。
コロナ禍を経て、内食やタイパ、SDGsが注目されるなか、それらに着目したうえで「自宅でのランチに対する悩みを抱えるお客様の食生活を充実させたい」との思いから、消費者の立場になって開発に着手し、今までにない全く新しいパスタの調理法を完成、確立させた。
2023年3月に「ボロネーゼ」「カルボナーラ」「ペペロンチーノ」、同年9月に「たらこ」を発売した。先行の3メニューは、発売から2カ月で約100万食を出荷し、半年間の販売目標を2カ月で達成している。
この「パキット」は、第53回 食品産業技術功労賞「商品・技術部門」を受賞した。
なお「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2023年時点)。
「第53回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)は、一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美、独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興、日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛、食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹。
〈食品産業新聞 2023年12月4日付より〉