塩分控えめに豆乳自体を生かす「なめらか豆腐バー」/太子食品工業【食品産業技術功労賞】
太子食品工業の「なめらか豆腐バー」は、1本で植物性タンパク質が10g摂れるプラントベースフード。味付きでそのまま食べられる。今年2月に発売し、半年で累計100万本販売を突破した。
83年間大豆と向き合い続けた太子食品工業が培った豆乳の技術を使い、新しいものを作りたいと考えたのが開発の原点だ。
豆腐の好きな点を同社で調査したところ、大豆の風味や柔らかい食感が好きとの回答が多く寄せられたことから、なめらかな食感になるよう作り上げた。
同社の特許技術「きぬ練り製法」を用いることで、一般的な絹ごし豆腐と比較して約2・5倍のタンパク質を含みつつ、なめらかな食感を実現した。大豆の不快味を軽減し、甘みを引き出せる製法でもある。
賞味期限は61日間と買い置きにも向く。さらにワンハンドで食べられるように、「手に持ちやすい」パッケージサイズにしているのも特長だ。
味は和洋中を意識し「かつおだし味」「麻婆豆腐味」「ブラックペッパー味」を展開している。購入者の意見を参考に9月から味をリニューアルし、より味わい深くなった。
この「なめらか豆腐バー」は、第53回 食品産業技術功労賞「商品・技術部門」を受賞した。
なお「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2023年時点)。
「第53回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)は、一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美、独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興、日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛、食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹。
〈食品産業新聞 2023年12月4日付より〉