酒類・飲料関連の「令和6年能登半島地震」の被害状況(1月5日午前12時現在)

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石川県能登地方を震源とした地震が1月1日午後4時10分ごろに発生し、石川県を中心に大きな被害が発生した。酒類・飲料関連での被災状況の5日午前での聞き取りなどによる調査結果は以下の通り。

〈石川県〉

石川県酒造組合連合会によると、金沢・加賀地方では大きな被害の報告は聞いていないとのことだが、能登地方ではインフラが復旧しておらず、電話もつながらない蔵がほとんどとのこと。「能登地方には12、13蔵あるが、半数は壊滅したのではないか。避難所生活が続いているという連絡も受けている」(同組合)。

各メーカーがホームページやSNSに投稿した情報によると、「全従業員の無事を確認したが、従業員宅の損壊や蔵のダメージで本年度の醸造を中止せざるを得ない状況」(珠洲市・宗玄酒造)、「社員・家族は無事だが、断続的な余震もあり、断水も続いている。社員全員の安全の確保と、最低限の生活に向けた復旧に徹するため、1月8日まで完全休業とする。直営店舗は当面の間休業とする」(鳳珠郡能登町・数馬酒造)、「事務所等が崩壊。酒蔵、貯蔵蔵すべてで甚大な被害が発生しており、全く機能していない(人的被害は無し)」(輪島市・白藤酒造店)など、甚大な被害が発生していることがわかる。

また、白山市の車多酒造でも「蔵人とその家族の安否確認ができたが、自宅の被害がひどく、すぐには酒造りには戻ってこられない状況」としており、スケジュールを遅らせ、製造量を大幅に減らす方針を発表している。

〈富山県〉

富山県酒造組合によると、氷見市内の酒蔵で仕込蔵の傾きや井戸水のにごり、断水ですぐに復旧できる状況ではない蔵があるとのこと。また、県西部では道路の舗装が割れるなどの被害も出ている。

アサヒ飲料北陸工場(新川郡入善町)では目立った被害はないとのこと。

〈福井県〉

福井県酒造組合によると、土壁がはがれた、落ちたなどの被害はあるが、酒造りに影響があるような甚大な被害の報告はないとのこと。

〈新潟県〉

新潟県酒造組合によると、製品や空瓶の破損が数軒あったとのことだが、現在のところ大きな影響があるという報告はないとのこと。震度6弱を記録した長岡市の朝日酒造では安全確保および復旧作業を優先するため、「元旦搾り」の出荷作業を一時停止していたが、1月3日から出荷を開始している。そのほか吉乃川、諸橋酒造でも「大きな影響はなし」として、通常業務を行っている。

〈大手ビールメーカー一部〉

大手ビールメーカーではサントリーホールディングスが義援金として5,000万円の拠出を発表したほか、被災地に「サントリー天然水」約18万本を供出した。「今後も被災の状況に応じて、さらなる支援を実施していく」。

アサヒグループジャパンは義援金として8,000万円を寄付するほか、アサヒ飲料の「おいしい水 天然水 六甲」600mlを24万本、「スーパーH2O」を約13万本、アマノフーズの「フリーズドライ“おみそ汁”」、介護用食品「バランス献立」など2,000万円分を提供する。「今後の支援についても被災地の状況に応じて対応していく。被災地の1日も早い復旧を祈念する」(同社)。