冷凍うどん50周年販促は感謝と需要拡大がテーマ、「冷凍麺のテーブルマーク」へ進化目指す/テーブルマーク春季新商品発表会
テーブルマークは1月24日、同社食品開発センター(東京都大田区)で2024年春季新商品発表会を開いた。家庭用ではうどん発売50周年販促が今年1年間の最大のテーマになる。一方で「うどんのテーブルマーク」から「冷凍麺のテーブルマーク」への進化を目指し、同社の中華麺の浸透・拡大を図る。業務用では焼成冷凍パンの新シリーズ「Craft Baker’s(クラフトベーカーズ)」の立ち上げが目玉だ。
当季の商品施策の方向性は次の4点。家庭用ではうどんと中華麺の両輪で「冷凍麺のテーブルマーク」への進化を図るとして、〈1〉冷凍うどん50周年販促と〈2〉中華麺で有名店監修の「まるぐ」シリーズの拡充を行う。
業務用では人手不足の課題に対するオペレーションの軽減とともに価値アップに寄与する提案として〈3〉焼成冷凍パンの新シリーズ「Craft Baker’s(クラフトベーカーズ)」を導入する。常温品のパックごはんは非常食から日常食に入っていく中で規格容量ニーズが分散化していることか受け〈4〉主力「国産こしひかり」シリーズを刷新する。ラインアップを拡充するとともに、酸味料の配合を見直し、炊き立ての香りにこだわった改良を行う。これに伴い多食数をそろえていた「ふっくらつや炊き」を終売する。
冷凍うどん50周年販促は〈1〉お客様への感謝と〈2〉リーディングカンパニーとして需要創造・市場拡大の2つをテーマに掲げた。
同社のうどんは年間6億食の水準まで事業が拡大している。「すべての日本人が5食入りパックを1つ食べているという物量にまで成長させていただいた」(泉貴成執行役員戦略本部長)。その感謝を込めて、パッケージにマスコットキャラクター「麺坊や」が感謝のお辞儀をしているロゴを掲載する。3月から具付き麺で、4月ころから素材麺で切り替え予定だ。
次の50年に向けて、各種プロモーションによる喫食機会の拡大も図る。
消費者キャンペーンは最大規模で展開し、SNSを活用した告知やファンの育成に取り組む。まだ食べたことがない消費者に対して試食会も開く計画だ。同社公式Xは13万人以上の接点を持つという。
同社の冷凍うどんの特徴である〈1〉「包丁切り」による麺の角が立った仕上がりと〈2〉「大釜茹で」によるちぢれの少ない、なめらかさとつるみ感――という2点を訴求していく。
「まるぐ」シリーズから新商品「たかはし監修 まるぐ 焼きあご塩ラーメン」を発売するほか、トレー付きの汁なし麺にリニューアル品と新商品を投入する。ジャージャー麺と汁なし担々麺は香味油を別入れにして香り豊かな仕上がりに、明太クリームうどんとぶっかけ肉うどんは包丁切りうどんに変えてソースと絡みやすくなった。
2023年の冷凍麺市場において、うどんは2020年比17%増と好調だが、中華麺は37%増と大幅に伸長しているという。「このような状況を踏まえて、当社はうどんのテーブルマークの印象が非常に強いが、今後はうどんと中華麺の両輪で“冷凍麺のテーブルマーク”への進化を図る」(庵原リサ・マーケティング戦略部長)。
〈石窯製法で専門店品質「Craft Baker’s」〉
業務用の「クラフトベーカーズ」は伸長している高単価な外食チャネル向けに展開する。〈1〉天然花崗岩を使った石窯オーブンを新規導入し、〈2〉独自開発した専用の発酵種を使用、〈3〉原材料も石窯製法に合わせて厳選しているのがこだわりのポイント。新商品「石窯ブール」のほか現行品からの切り替えで「石窯バゲット」と「石窯レストランバゲット」を発売する。
パン単体だけではなく、他のラインアップと合わせてメニュー価格アップにつながる提案を進めたい考えだ。
バゲットとの相性の良いメニューも新商品に品揃えした。「レバーとにんにくのコンフィ」はレバーに新鮮なチルド原料を使用し、オリーブオイルとガーリック、鷹の爪で香り良く仕上げた商品。解凍後にフードプロセッサーにかけるだけでレバーペーストとしても使用できる。
〈冷食日報2024年1月26日付〉