日清製粉ウェルナが製品LCA導入、サプライチェーン全体の環境評価を重視
日清製粉グループの(株)日清製粉ウェルナ(岩橋恭彦社長)は2月5日、環境影響の算定手法「製品LCA(製品ライフサイクルアセスメント)」を「国内食品メーカーに先んじて導入する」と発表した。
製品LCAは製品のライフサイクル(原料調達~廃棄)の環境影響を算定する手法で、「CO2e(二酸化炭素相当量に換算した温室効果ガス排出量)を算定対象とするのが一般的」(同社)。今後は「製品LCAを活用した環境配慮型製品の開発を進める。また、CO2eなどを消費者に積極的に情報発信する」考えだ。
製品LCAを導入したのはサプライチェーン全体の環境評価を重視したからだ。例えば、「環境配慮のためにプラスチック使用料を削減した結果、プラスチック使用料は削減できたが、CO2e排出量が増加した」といったケースが発生することを避けるのが目的。
同社のスパゲティ標準タイプと早ゆでタイプの原料調達~廃棄の各段階におけるCO2e発生量の比較をした図では、「早ゆでタイプは標準タイプと比べて調理・喫食段階のCO2e排出量を約34%削減、全体では約15%を削減できる。消費者が早ゆでタイプを使用することは各家庭での環境負荷低減への貢献につながる」とまとめている。
同社が導入する製品LCAはSGSジャパン(株)(神奈川県・保土ケ谷、顔立新代表)によるもので、ISO14067・ISO14064-1,2の手法を参考にしたもの。昨年7月に「乾パスタ」「パスタソース」「冷凍パスタ」「プレミックス」のCO2e算定方法の妥当性評価を受けた。
〈米麦日報2024年2月6日付〉