ファミリーマート、米飯や麺類など好調、2024年発売の「すた丼」監修商品は異例の売上に スイーツなど強化へ
ファミリーマートの冷凍食品の売上は、米飯類や麺類の好調で前年を上回った。一方、数量は前年に若干届かなかったという。
2024年は数量増を目指し、スイーツ商品の強化やブランドコラボ商品の提案などで、冷凍食品売場の存在感をより高めていく。商品本部で冷凍食品などに携わっている山田忍氏に聞いた。
――2023年度の動向は。
現在、冷凍食品は約100品を展開している。2023年度の売上は、コロナ前の2019年度比で40%増ぐらい、2022年度比では10%増ぐらいで推移している。当社の冷凍食品カテゴリーには冷凍飲料と氷が含まれ、2023年は氷の売上が非常に伸長していて、その効果が続いているため、それもプラスオンはされているが、冷凍飲料や氷を除いても前年は超えているような状況だ。アイテム数を増やしたことも寄与している。ただ、販売数量は前年を若干下回った。
――好調なカテゴリーは。
氷以外で一番伸び幅が大きかったのは冷凍米販類だ。中でも、ワンプレート弁当の「ラケル監修 特製ソースのチキンオムライス」が一番貢献した。「コチュジャン風味のピリ辛肉味噌ビビンバ」も堅調に推移している。
これらの商品は、「am/pm」(2009年にファミリーマートが子会社化、2011年に全店を転換)時代にお付き合いのあったデイリーメーカー様と、当時のノウハウなどを活かして開発している。ひと手間加えた調理工程に強みがあると考えている。
その次に順調だったのは麺類で、1番売上が高いのは「麺屋こころ監修 台湾まぜそば」だった。2021年発売の商品で、今までも順調だったが前年よりも売上は伸びている。それに合わせて他のまぜそばの商品も堅調に推移している。
パスタ類では、定番のナポリタンやカルボナーラも堅調に推移している。パスタにより力を入れるべく、8月に「にんにくの香りとベーコンの旨み大盛ペペロンチーノ」、10月には「完熟トマトとにんにくの香り大盛ガーリックトマト」の2つの大盛り商品を発売し、どちらも売上に寄与した。
他にも、2024年1月に発売の「伝説のすた丼屋監修 すたみなにんにく豚バラ炒め」がかなり売れている。それまで冷凍おかず・おつまみの1位の売り上げは「焼いてる!こてっちゃんコク味噌味」だったが、それを凌駕するような勢いなので、非常に嬉しい。冷凍おかず・おつまみカテゴリーは、2023年秋以降に若干落ち込んだものの、今年は盛り返したい。今のところ数量限定での販売だが、動向次第では定番化も検討したい。
あとはスイーツシリーズをさらに充実させる。2023年5月に出したワンハンドタイプの「凍ったまま食べるパイコロネ」と「凍ったまま食べる白桃のタルト」は好評だったので、今年もこのシリーズは展開したい。
様々な可能性が冷凍スイーツにはまだあると思っている。冷凍スイーツの理想的な商品を生み出せるよう2024年度はさらに強化をしていく。
――「ファミマルプレミアムシリーズ」については。
プレミアムは今、餃子とピザを展開している。ある程度他の商品群と比べても価格は高く設定していて、高品質な商品は一定の支持がある。今年もこのプレミアムシリーズは新しい商品を展開していく予定だ。
――商品面以外での取り組み。
新店では売場をより広げるべく平台のケースの導入などを行っている。並べられるアイテム数が多ければやはり売上は伸長している。新店や改装店では平台を導入した店舗は増えている。
販促として、2024年2月23日までは毎週金曜日に冷凍食品を2個買うと50円引きになるということを行っており、SNSでも好意的な声を頂いている。対象日の売上は他の曜日と比べて+10%増の売上となっているので、来年度もお客様にファミリーマートの冷凍食品を購入いただくきっけとなるような施策を検討していきたい。
――改めて、今後注力する取り組みは。
他の企業様との監修商品は継続していくが、冷凍スイーツに注力したい。色々と仕込みをしている最中なので楽しみにしていて欲しい。あとは、冷凍食品ならではの美味しさなどを意識した商品作りはしていきたいと思う。多くの方に喜んでもらえたらと思う。
ブランドコラボも力を入れていく。冷凍食品の売場に誘引するために、当社ならではのコラボや監修商品は大事になると思っている。冷凍食品を買いに来る理由づくりは売場の存在感を高めるためにも重要になると思っている。
〈冷食日報2024年2月20日付〉