「食品スーパーの経営に関する実態調査」を実施、業績の2極化の進行が明らかに/M&Aキャピタルパートナーズ
〈約半数が物価高騰に対応できず〉
M&Aキャピタルパートナーズ(東京都中央区、中村悟社長)はこのほど、食品スーパーの経営者100人を対象に、食品スーパーの経営に関する実態調査を実施した。
2023年1月~12月の業績は、37.0%が上がった、28.0%が下がったと回答した。業績が上がった企業に、直近のエネルギー高や原料高などによる業績への影響を聞いたところ、29.8%が「影響はなかった」、21.6%が「悪影響があった」と回答した。
従業員の賃上げについては、42.0%が既に実施または実施予定であり、「業績不振」や「設備投資を優先するため」といった理由から、50.0%が実施しないと回答した。
直近のエネルギー高、原料高、インフレに対しては、約半数が「価格転嫁できていない」と回答した。今後の食品スーパー業界の先行きは、49.0%が「さらに厳しくなる」と予想しており、その背景に「燃料費・電気代の高騰」や「円安」などの経営課題があることがわかった。
また、64.0%が「資本提携の意向はない」と回答し、「資本提携の意向がある」という回答は10.0%にとどまった。仮に資本提携をする場合は、「同業の同規模企業」(22.0%)や「卸」(19.0%)などが候補に挙がった。
今回の調査では、2023年の物価高騰や外圧インフレによって業績を伸ばしている企業とそうでない企業の2極化が明らかになった。食品の値上がりは、消費者の購入減少に直結し、食品スーパーにもその波が押し寄せるとしている。
また、回答者が最も競合として捉えている業態は「ドラッグストア」が最多だった。生鮮を扱うドラッグストアが増えるなど、業態を越えたさまざまな施策が行われ、競争が激化している。
2024年に賃金の上昇を実施・検討する食品スーパーもあることから、物価上昇に打ち勝ち、景気の好循環が実現する年となるのか、食品スーパーの動向に注目が集まる。