サントリーが蛇口の水製品の開発に取り組んだ理由とは、リクシルと協働で家庭用水栓の新サービス「Greentap」展開

ミネラルボトルと水栓(新色のクールシルバー)
ミネラルボトルと水栓(新色のクールシルバー)

LIXIL(リクシル)は3月末から、水栓事業で培ってきた浄水技術にサントリー食品インターナショナルが開発した植物ミネラルエキスをプラスすることで、蛇口から雑味がなく、冷たいミネラル入りの浄水を提供する新サービス「Greentap」(グリーンタップ)を展開している。3月29日に家電量販店とLIXIL公式通販サイトで販売開始し、4月1日からLIXILキッチンセットの水栓として販売している。

「Greentap」は、蛇口と専用ユニットを設置するだけで、家庭で蛇口をひねるだけで、「ミネラルinウォーター」(※)を楽しめる水栓の新サービス。LIXILが”新たな水のスタンダードを創る”ことを目指して、サントリー食品と共に開発したという。
※サントリー食品が開発した植物ミネラルエキスをプラスした水のこと。

だが、サントリー食品は、清涼飲料のパッケージ製品で6年連続ナンバーワンの販売実績がある「サントリーテ天然水」を発売している。一見、蛇口の水はライバルのようにみえるが、なぜ水栓事業をサポートしているのか。

それは、サントリー食品が2023年に、植物ミネラルエキスを活用したミネラルinウォーターキャップの「minel(ミネル)」を発売したことと同様、植物ミネラルエキスを使い、水の新たな楽しみ方を模索する中で、「minel」とは異なる出口として、水栓事業を展開しているLIXILと出会い、今回の協業に至ったという。

サントリー食品常務執行役員の柳井慎一郎氏は、3月28日に行われた発表会で次のように語った。「この新サービスによって、消費者に対して水の新しい楽しみ方を提案したい。今回の取り組みは新しいビジネス形態と捉えており、我々の事業拡大の可能性も大いに感じている」。

「ミネラル㏌ウォーター」は、ココヤシのヤシ殻活性炭から抽出した植物由来エキスを適度な濃度で加えることで弱アルカリ性となり、コクやまろやかさ、飲みごたえが増すという。さらに、サントリーがこだわったのが温度だ。冷水器によって水を最もおいしく感じられる温度である10℃にできる技術を活用し、選べるようにしている。

LIXILの社長兼CEOである瀬戸欣哉氏は、次のように期待を述べた。「サントリー食品との協業によって、技術的な面や味わいに関する知見に加え、より広い分野にこのサービスを広められることができる」。

(左から)LIXILの瀬戸社長兼CEOとサントリー食品の柳井常務
(左から)LIXILの瀬戸社長兼CEOとサントリー食品の柳井常務

コミュニケーションでは、「LIXILの蛇口に、Suntoryのおいしさがやってきた!」をメッセージに展開していくとしている。サントリーは、“蛇口”の水でも存在感をみせることができるか。

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