キリンHDが電気の力で減塩食品の塩味やうま味を増強する「エレキソルト スプーン」発売、“塩分摂りすぎ”の社会課題解決に向けた新規事業

キリンホールディングス「エレキソルト スプーン」
キリンホールディングス「エレキソルト スプーン」

キリンホールディングス(以下、キリン)は5月20日、ヘルスサイエンス領域の新規事業「エレキソルト スプーン」の予約・抽選販売を「エレキソルト」公式オンラインストアにおいて200台限定で開始し、同日にメディア向け発表会を開催した。

「エレキソルト」とは、キリンと明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科宮下芳明研究室が共同研究して開発した、電気の力で減塩食品の塩味やうま味を増強する食器型デバイス。

「エレキソルト スプーン」は、先端から微弱な電流を食品に流すことで、食品に含まれるナトリウムイオンを舌に集め、塩味やうま味など食事の味わいを増強する効果“電気味覚”を発揮するという。

柄の部分に電池を入れて使用し、スイッチで電流の強度を4段階に調節できる。税込19,800円。明治大学総合数理学部の宮下芳明教授は発表会で、「13年間続けている“電気味覚”の研究がこうした形で世に出ることはとても嬉しい」と話した。

キリンヘルスサイエンス事業部新規事業グループの佐藤愛氏は、キリンの研究員として大学病院などで研究した際、医師や実際に減塩に取り組む患者から、減塩の難しさや減塩食への不満の声を聞いたことで「エレキソルト」の開発を始めたとした。佐藤氏は次のようにコメントする。

佐藤愛氏
佐藤愛氏

「減塩をされている方の“減塩の重要性はわかるけど、なかなか辛くて続けられない”という声がきっかけで、2019年からエレキソルトの研究開発を始め5年以上の月日を経てようやく製品販売へと至った」。

「さまざまな形状のデバイスで研究し、また装置の小型化にも苦労した。ターゲットを30~60代と幅広く設定しており、持ちやすさと耐久性にこだわった。いろいろな方に食事を楽しむツールとして、エレキソルトを使っていただきたい」。

キリンは今後、「エレキソルト スプーン」のフィードバックをもとに、スプーン以外の「エレキソルト」製品の開発を続けるとしている。

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