炭酸水が血流に好影響の可能性、筑波大学助教と共同研究/アサヒ飲料
アサヒ飲料は6月26日、炭酸について共同研究を行う筑波大学体育系の藤井直人助教とともに、「炭酸研究」の説明会をメディア向けに開催した。それによると、暑熱下(37℃)において、炭酸水は血流に好影響の可能性があるという。
今回発表された研究は、暑熱下(37℃)で水と炭酸水を飲用した時の体への影響を検証したもの。研究結果によると、暑熱下の安静時・運動後で炭酸水を飲用した時、脳血流量の上昇と血圧の上昇が水よりも大きく、めまいなどの改善につながる可能性があるという。
藤井助教は以下のように語る。「運動後に座り、立ち上がると一時的に血圧が下がり、フラフラすることがある。立ち上がってすぐに水、または炭酸水を飲用する実験では、水と比較して、炭酸水では脳血流量の低下が緩和された。立ちくらみや、めまいの緩和にチャンスがあるかもしれない」。
また、炭酸水は口中および全身の爽快感や眠気の減少・意欲の上昇についても、水より大きい効果があるとした。
藤井助教は、「脳血流が良くなると爽快感が上がるなど、ポジティブな効果があることが示唆されている。今後は炭酸水の飲用による食事量の変化など、食事との関係についての研究なども行いたい」と話した。
アサヒ飲料が行っている「炭酸研究」は、“「炭酸」の持つチカラをひもとき、社会に役立つさまざまな可能性を明らかにし、健康課題の解決やウェルビーイングの促進につなげる”という思いから始まった取り組みという。
同社取締役兼執行役員の安部寛研究開発本部長は、「我々は『炭酸研究』を通じてワクワクと笑顔を届けたいという気持ちで研究を続けている。今後も炭酸の可能性を切り拓き、未来に向けてさらなる進化を目指していく」と話した。
アサヒ飲料はさまざまな地域とも連携して「炭酸研究」の取り組みを行っている。昨年に新潟県と連携して行った取り組みでは、40~50代を中心とした467人の会社員が1日1本強炭酸水500mlをそれぞれのペースで摂取し、アンケートに回答した。その結果、全体の68%の人が、「食事の量が減った」や「飲酒や夜食・間食の抑制に手ごたえがあった」と回答し、食生活の変化を実感したという。
同社は他にも、「ウィルキンソン」発祥の地の宝塚市に加え、別府市、札幌市、横須賀市などと連携し、取り組みを進めてきた。今後も連携する地域を拡大するとともに、炭酸の情報発信によって社会に貢献していくとしている。