「ボンカレー」新メニューの積極提案で販売好調、3月発売の「旨みを味わうカレーうどんの素」シリーズは夏に「冷やしつけカレーうどん」を訴求/大塚食品
大塚食品の「ボンカレー」は、2023年の販売が好調で、同ブランドの販売数量は前年比2ケタ増になった。ブランド生誕55周年を記念した施策のほか、新メニューの積極的な展開が奏功したという。2023年に発売した「ボンカレーゴールド 芳醇デミカレー至福の甘口」は、甘口カテゴリーで人気となり、「ボンカレーゴールド うま辛にんにく辛口」もスパイシーさが受け入れられて定番化しつつある。
〈関連記事〉「ボンカレー」の新たな挑戦は「カレーうどんの素」、家庭でも楽しめる“そば屋で食べるあの味”、アレンジレシピで人気ナンバーワンが開発のきっかけに/大塚食品
2024年に入っても大塚食品は積極的な商品提案を続け、定番品の刷新と全く新しい商品の投入を行っている。定番品で濃厚な味わいが特長の「ボンカレーネオ」シリーズは、3月4日に行ったリニューアルが好評で、1~5月の販売数量は2ケタ伸長している。また、同社は同日からカレーうどん専用の「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 だし薫る和風仕立て(中辛)」(210g)と、「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」(100g)を発売した。
「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」シリーズは、箱ごとレンジで温め、うどんにかけるだけで簡単にカレーうどんが出来上がる、ありそうでなかった提案だ。その日の気分に合わせて楽しめるよう、汁ありと、汁なしの2タイプで展開している。
パッケージは、うどんの素であることを強く訴求するため、正面下部に「カレーうどんの素」と大きく記載し、ボンカレーの象徴である三重丸のマークやブランド名は他の商品よりも小さく記載している。これは、うどんの素であることを前面に出すための施策だが、三重丸のマークを大きく配置しないパッケージは、「ボンカレー」ブランドではあまり無いデザインだ。
ただ、発売から3カ月経った現在、扱い店舗数の広がりの面で課題があるという。その理由について同社製品部ボンカレー担当の山岸和広さんは、「カレーうどんの素」というカテゴリー自体が浸透していないことが大きいとする。「カレーうどんは、外食店で人気の高いメニューだが、スーパーなどの店頭で取り扱われるカレーうどんの素は種類が少ない。消費者から家庭で食べるメニューとして選択肢に浮かびづらいことが課題であり、今後も啓蒙活動を継続していく」と話した。
認知度アップに向けて、同社は、チルド・冷凍・乾麺の3種類それぞれのうどんと、店頭でクロスマーチャンダイジング(異なるカテゴリーの商品を関連商品として陳列すること)の取り組みを推進している。山岸さんは、「カテゴリーを横断して店頭施策を行う店舗数は多くないが、実施する店舗では売り上げが俄然伸びている」と手応えを語る。
そして、夏に向けては、「冷やしつけカレーうどん」の訴求を行っている。同商品と冷たいうどんを組み合わせ、夏でもカレーうどんを楽しめるレシピの提案だ。商品は、温めずにそのままかけてもおいしく食べられることが特徴となっている。
スーパーマーケットでは、気温の上昇に合わせ涼味の売り場が大々的に展開されている。うどんは本来、寒い季節に販売が伸びるもの。だが、「ボンカレー」は、テーマに合わせて楽しめる新レシピとして、「冷やしつけカレーうどん」を提案し、“カレーうどんの素”の存在感を高める取り組みを通年で行っていく。