「セブンプレミアム」ポテトサラダなどのパウチ副菜を全面リニューアル、定番品は価格据え置きで美味しさなどの価値向上、付加価値品はおつまみ需要に応えお酒に合う味に/セブン&アイ・ホールディングス
セブン&アイ・ホールディングスは、「セブンプレミアム」パウチ惣菜(袋物惣菜)の副菜10品を全面リニューアルしてセブンイレブン、イトーヨーカドー、ヨーク、ヨークベニマルなどで今夏、順次切り替えて発売している(地域・店舗によって時期が多少異なる)。
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同社の「ポテトサラダ」をはじめとする副菜類は2007年に「セブンプレミアム」が初登場して以来続くロングセラーで、拡大する袋物惣菜市場を創出・けん引してきた商品だと言えよう。また、これまでリニューアルを繰り返して品質向上を図っており、代表的な「ポテトサラダ」は今回のリニューアルで12代目の商品に当たるという。
ちなみに「袋物惣菜」は日本惣菜協会の定義で「耐熱容器もしくはプラスチックフィルムを袋状に形成して包装したものを、包装後低温殺菌処理し、冷蔵にて流通する日持ちのする(おおよそ30日程度)調理済み包装食品。ただし、レトルト食品は含まない」とされている。高温で殺菌するレトルト食品と異なり、低温殺菌により素材本来の風味・食感を残しつつ、簡便性や保存性を兼ね備えた包装されたチルド惣菜を指す。
「セブンプレミアム」の副菜では、定番商品と付加価値商品の2軸を展開している。
今回「セブンプレミアム」でリニューアル発売するのは定番商品の▽ポテトサラダ(税込149.04円)▽きんぴらごぼう(同)▽たまごサラダ(同)▽ごぼうサラダ(税込159.84円)▽マカロニサラダ(同)▽明太ポテトサラダ(同)――。
定番和惣菜の▽ひじき煮(税込149.04円)▽切干し大根(同)――。
付加価値商品の▽ベーコンポテトサラダ(税込192.24円)▽かぼちゃサラダ(同)――の合計10品となる。
商品企画を担当したセブン-イレブン・ジャパン商品本部デリカテッセン部7P・生活デイリーマーチャンダイザーの見雪拓磨氏は、リニューアルに至った背景について「直近で食品値上げが続きお客様の家計支出の負担が増えている。そうした中で、特に定番の副菜類はおかずのもう一品としてまとめ買い傾向があるだけに、お客様の価格への意識も高い。価格を維持し、今までの積み重ねを活かしながらいかに美味しさをもっと引き出せるか、各メーカー様等とさまざまな議論を重ねて今回のリニューアルに至った」と話す。とはいえ、原材料価格をはじめさまざまなものの価格は上がっており、価格を上げずに価値を上げるのは難しいミッションだったと振り返る。
たとえば「ポテトサラダ」の場合、温度管理を徹底し、糖度をふくめて管理されたジャガイモ素材の食感を最大限活かすためカット方法を変更し、カットサイズを大きくした。さらに下処理や調理方法を変更し、たとえばタマネギはボイル調理から蒸し調理に変更し、素材へのダメージを軽減することでより食感や風味を損なわないようにしたという。
また、「たまごサラダ」の場合はゆで卵をまるごと使うような他の商品で、品質には問題ないが規格外となったゆで卵を一部活用することで売価を据え置きながら卵比率を高め、さらに食品ロス削減にもつなげた。
〈付加価値品はおつまみ需要に対応、よりお酒にあう味付けに変更〉
一方で、「ベーコンポテトサラダ」「かぼちゃサラダ」の2品は夜間帯におつまみ需要で購入されることが多いことから、おつまみとしての価値を強調した付加価値商品としてリニューアル。
「ベーコンポテトサラダ」は、ベーコンの使用量を増やし、マスタードなどの味付けをお酒により合うように変更。「かぼちゃサラダ」は今回初めて素材にクルミを使用し、食感と独特の香ばしさを加え、スパークリングワインなどにも合わせやすい味わいにした。
さらにパッケージデザインも一新し、食卓でのイメージがわくお皿に盛り付けた、より「シズル感」ある写真を使用し、付加価値型2品では背景にお酒のイメージも加え食シーンを訴求するものとしたという。
そして今回のリニューアルにあたっては、同社の商品づくりで知られている「チームMD」、すなわち素材、製造から包材までメニューごとに最適・最善のメーカーとチームを組んで開発する手法に改めて立ち返ったという。見雪氏は「コロナ禍の中ではチームでのコミュニケーションが難しく、どうしても個社ごとの商談になりがちな面があった。あらためて原料、調味料、製造、包材、デザインにいたるまで各メーカー様とコミュニケーションを深めアイデアや情報の共有を図った」と話す。
なお、8月半ばから、まとめ買いで値引きするセールなどを実施し、改めて夏休み中のお弁当づくりなどで活用できるパウチ惣菜のリニューアルを訴求するという。