ニップン「2024年秋季新商品発表会」、好調の冷食カテゴリなどで新商品、「もちっとおいしいスパゲッティ」は半年で2,500万食を達成
(株)ニップン(前鶴俊哉社長)は8月8日、「2024年秋季新商品発表会」を開いた。
マスターブランド戦略を進める「オーマイプレミアム」ブランド、拡大が続く冷食ワンプレートカテゴリなどへ新商品を投入し、常温ではお好み焼粉・たこ焼粉の強化などを図る。
冒頭、食品事業本部の池尾良本部長は、スタートダッシュを切った「オーマイプレミアム もちっとおいしいスパゲッティ」への期待を語った。同商品は2月発売の乾燥パスタで1.5mm、1.8mmをラインナップ。発売から「半年足らず」で累計出荷数量が2,500万食に達した。これは同社の乾燥パスタ新商品では最速での達成となる。同社調べによると23年3月~24年6月の乾燥パスタ市場の成長率が+4%(購入数量ベース)なのに対し、「オーマイ+オーマイプレミアム」ブランドは+50%に達した。
〈食品事業本部・池尾本部長〉
昨年来、(株)刀との協業によりマスターブランド戦略を進め、冷凍パスタの「オーマイプレミアム」ブランドから、乾燥パスタ「もちっとおいしいスパゲッティ」を発売した。私は年代的に「パスタの食感はアルデンテ」で育ってきたが、消費者の声をしっかりと聞くと、乾燥パスタにも「もちっと」食感を求める声がかなり多かった。
これだけ聞くと、多くの方にとっては「そうなんだ」という反応かもしれないが、私どもにとっては非常に大きな衝撃だった。乾燥パスタを製造・販売する側に立っていると、「もちっと」食感というものは、生パスタや他のめん類に任せておけばいい――そのように錯覚をしていた。これはやはり、プロダクトアウトを行うメーカー側が陥りやすい錯覚かと思う。
振り返ってみると日本の一般的な家庭の食卓にパスタが登場するようになって、70年ほど経過している。そうした中で、消費者は日本人に合ったパスタを真摯に求めている。そのことをメーカー側もきちっと捉えなければならない。現在のパスタ売場を見ると、ゆで時間であったり、チャック付きであったり、簡便性や機能性を謳った商品ばかり。やはり、消費者が求めているものがおいしさである以上、おいしさをもっと前面に押し出し、表現する商品を上市していくのがメーカーの役割だ。
「もちっとおいしいスパゲッティ」は非常に好評を得ており、マスターブランド戦略として成功の道しるべを築いていくのではないかと思っている。他社の追随もあると思うが、カテゴリ全体が伸長することが私たちの目指すところ。成熟市場であってもさらなる成長を図っていきたい。
〈米麦日報2024年8月9日付〉