「三ツ星ファーム」CCC運営のシェアラウンジ「渋谷ツタヤシェアラウンジ」で商品提供、健康的なライフスタイルの提案につなげる/イングリウッド

冷凍宅配弁当「三ツ星ファーム」を展開するイングリウッド(東京都渋谷区)は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する「SHIBUYA TSUTAYA SHARE LOUNGE」(渋谷ツタヤシェアラウンジ)で、冷凍おかずプレートの提供を7月29日から開始している。利用者からの反応は上々で、認知拡大にもつながっているという。この取り組みは、商品を通じて利用者に健康になってもらいたいというCCC側の考えと、リアルな場を通じて商品をより知ってもらいたいというイングリウッド側の考えが合致したため、開始することになったという。

イングリウッドで提供している「三ツ星ファーム」は、管理栄養士のもと、原則としてカロリーは350kcal以下、糖質25g以下、タンパク質15g以上になるようメニューを開発している。和・洋・中・エスニックなど、100種類以上のメニューをそろえている。2021年にサービスを開始し、これまでの累計販売数は1,600万食に達した。

現在、「三ツ星ファーム」は30代以降の働くママ層、高年齢層の方々に多く利用されているという。一方で、「渋谷ツタヤシェアラウンジ」の利用者に多い20~30代前半の働く若年世代へのアプローチには課題があったようだ。

イングリウッドのリテールコンシューマ事業部三ツ星ファームチームの星野里奈さんは「ECでの展開が中心となっているため、実際に商品を試してもらえる場がなかった。そのため、実際に食べてもらえる場を作れることは、私たちにとっても非常に大きかった」と話す。

〈シェアラウンジで自然と『三ツ星ファーム』を提案〉

CCCにとっても、「三ツ星ファーム」は魅力的だったという。2024年4月に大規模リニューアルを行った「SHIBUYA TSUTAYA」は、リニューアル前と比べて来館者は倍増し、1日に約4万人が訪れているという。

その中で「渋谷ツタヤシェアラウンジ」には、リモートワーカーや観光客など国内外からさまざまな人が訪れており、飲食物はアルコールやおつまみ類だけでなく冷凍食品も提供している。中でも冷凍食品は好きなタイミングで食事をとれることから支持は厚いようだ。

CCCでシェアラウンジ事業の出店企画の責任者を務めている渡邉匠シェアラウンジ事業企画部部長は「CCCという会社は、ライフスタイルを提案する会社。映画やCDのレンタルや本の販売などを中心に手掛けてきたが、レンタル屋をやっているというより、借りた映画を見て感動したり、雑誌を読んでインテリアを変えるなど、お客様の行動が変わるような提案を行ってきた」と語る。

また「シェアラウンジは、空間自体をライフスタイルの変化につながる商材として扱えないかという考え方で進めていて、内装から、デザイン、食事も含めた商品など、総合的に提供してライフスタイルの変化につなげたいと思っており、今回の取り組みは『三ツ星ファーム』さんにとっても自然と商品の良さを伝えられる場になるのでは」という。

現在は、「濃厚トマトソースとチーズの贅沢ハンバーグ」など、「三ツ星ファーム」でも人気の高い5品をそろえる。

今回、「三ツ星ファーム」の商品を置くことについては「食事ニーズへのチャレンジを進めている中で、空間価値をより高めるには健康面へのアプローチも必要だと考えるようになった。(導入で)ラウンジを使っていただく選択肢を増やせたのでは」(渡邉部長)と話す。

実際、シェアラウンジ利用者がSNSで商品を紹介しているだけでなく、実際に注文につながったケースもあるという。星野氏は「実際に食べていただいて、その方が知人にも『三ツ星ファーム』を広げてくださることで、『三ツ星ファーム』の輪をさらに広げられたら嬉しい。まだ1カ月にもかかわらず多くの方に利用いただき反響を得ている。これからどう波及していくのか、注視したい」と期待を寄せる。

〈「渋谷ツタヤシェアラウンジ」以外での実施は未定〉

他店舗への展開については「今はまだ検討の段階。『渋谷ツタヤシェアラウンジ』は直営なので、実験的にやった施策を他店にもどう広げるか、どれくらいの規模が適正なのかも含めて考えていきたい」(渡邉部長)という。また、シェアラウンジ内で食や健康に関するイベント実施も将来的には視野にあるという。

最後に、取り組みへの意気込みについて、星野さんは「渋谷ツタヤシェアラウンジを利用されている方は、ここをワークスペースにして働かれている方からふらっと訪れる方と、幅広い。『三ツ星ファーム』の“手軽さとおいしく栄養補給ができる”という特性を体験していただき、自分の時間をより豊かにしてもらえたら」と話した。

渡邉部長は「シェアラウンジで『三ツ星ファーム』の商品を体験してもらい、それを自宅でも食べるようになってもらえたら、空間を通してライフスタイルの提案を行っている私たちとしては嬉しく思う。今はこの拠点だけでの展開だが、その先も『三ツ星ファーム』さんと色々な形でご一緒できれば」と意気込みを述べた。

〈冷食日報2024年9月10日付〉

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