【豆腐・納豆市場 上半期】豆腐や油揚げは“肉の代わり”など用途拡大や“スイーツ系”展開、納豆は健康志向の高まりに応え数量増

納豆売り場
納豆売り場

豆腐・納豆市場の1月から6月の動向は、消費者の支出金額で見ると増加しており、好調な状況だ。豆腐市場では、生揚げ(厚揚げ)や油揚げの“肉の代替”などでの用途拡大や、スイーツ系の商品などを展開して新たなニーズに応え、納豆市場では、健康を軸に売上を拡大している。

【関連記事】100年企業に向け歩み、使用大豆の国産化に注力/【トップに聞く】丸美屋

総務省の家計調査によると、豆腐市場では各社の価格改定が影響し、数量は減少したものの支出金額は増加。納豆市場では、昨年3月の価格改定から一巡、4月以降価格・数量とも前年を超えて推移し支出金額は増加している。

〈豆腐カテゴリは、従来の豆腐や厚揚げ・油揚げにとらわれない新商品多数〉

豆腐のカテゴリ別では、変わらず充填豆腐が好調で、絹ごし豆腐からのシフトが見られる。小分け豆腐も引き続き好調だ。また、木綿豆腐の好調が続いており「コロナ禍以降、調理の頻度が上がっているのでは」との推測がされている。また、肉の代わりの具材として、生揚げ(厚揚げ)や油揚げが使われる場面が増えてきているようだ。

そのほか、味噌汁に使われることが多い油揚げの使用用途を広げるような新商品が、複数のメーカーで見られる。きざみ揚げのほか、そのまま料理に使える焼き目を付けた油揚げ、鍋用の油揚げのリニューアル品などが投入されている。

伸長を続ける豆腐バー(スティック状の豆腐、そのまま食べられる)は、太子食品工業が製造するセブンプレミアム「豆腐スイーツバー ガトーショコラ」が前年比800%と非常に好調。さらに、アサヒコからスイーツ系のフレーバーが3品投入され、今後の動向が期待される。

セブンプレミアム「豆腐スイーツバー ガトーショコラ」
セブンプレミアム「豆腐スイーツバー ガトーショコラ」
アサヒコ 「豆腐のおやつ 濃抹茶バー」
アサヒコ 「豆腐のおやつ 濃抹茶バー」

スイーツ系では、おとうふ工房いしかわが発売しているとうふドーナツや豆乳寒天も伸長している。豆腐や豆乳を使ったおやつの選択肢が拡大している。

おとうふ工房いしかわ 「豆腐ドーナツ」
おとうふ工房いしかわ 「豆腐ドーナツ」

〈納豆市場は、健康を軸に売上拡大〉

納豆市場は、今年4月以降、数量・金額ともに前年を超えている。納豆の健康効果がメディアに定期的に取り上げられたことが要因と考えられる。特にひきわり納豆の伸長率が高かった。その他のカテゴリのいずれも伸長した。

納豆は、これまで値ごろ感や健康効果が支持されてきたが、健康を軸にした商品の動きが目立つ。ミツカンは8月末から栄養機能食品「納豆効果 1日不足分の鉄分」を発売した。

ミツカン 「納豆効果 1日不足分の鉄分」
ミツカン 「納豆効果 1日不足分の鉄分」

タカノフーズは、免疫機能の維持をサポートする機能性表示食品を発売した。

太子食品工業でも、「六穀納豆」や「オーツ麦入り国産大豆ひきわり納豆」が、「分母が少ないとしながらも健闘した」(同社)としており、健康志向の高まりがうかがえる。

太子食品工業 「六穀納豆」
太子食品工業 「六穀納豆」
媒体情報

食品産業新聞

時代をリードする食品の総合紙

食品産業新聞

食品・食料に関する事件、事故が発生するたびに、消費者の食品及び食品業界に対する安心・安全への関心が高っています。また、日本の人口減少が現実のものとなる一方、食品企業や食料制度のグローバル化は急ピッチで進んでいます。さらに環境問題は食料の生産、流通、加工、消費に密接に関連していくことでしょう。食品産業新聞ではこうした日々変化する食品業界の動きや、業界が直面する問題をタイムリーに取り上げ、詳細に報道するとともに、解説、提言を行っております。

創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
主な読者:
食品メーカー、食品卸、食品量販店(スーパー、コンビニエンスストアなど)、商社、外食、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送
購読料:
3ヵ月=本体価格12,000円+税6ヵ月=本体価格23,000円+税1年=本体価格44,000円+税