【PR】J-オイルミルズ カムバック制度で多様な働き方を形成

J-オイルミルズ 左から中村圭甫氏、森本杏奈氏、辻美咲氏
J-オイルミルズ 左から中村圭甫氏、森本杏奈氏、辻美咲氏

〈カムバック制度を利用し今年2人復職、転職ではなくJ-オイルミルズに戻ることを選択〉

結婚や育児、介護といったライフイベントにより、働き続ける意欲があっても退職を選ばざるを得ない人がいる中、元社員が古巣に復職できる「カムバック制度」が注目を集めています。製油大手メーカーのJ-オイルミルズは2017年4月から同制度の運用を開始しており、初の制度を利用した復職事例として、今年度から元社員2人がカムバックを果たしました。辻美咲氏と森本杏奈氏はともに、夫の海外転勤を機に退職を決意しましたが、帰国後は他社への就職という形ではなく、「社員は優しく、本当にいい人たち」、「尊敬したいと思える人が数多くいる」と強調する同社に戻ることを選びました。人事部人財開発グループの中村圭甫氏にカムバック制度を導入した狙いについて、辻氏と森本氏に同制度を利用した理由や復帰するまでの経験、今後のキャリア形成について話を聞きました。

【関連記事】【Jオイルトップインタビュー 佐藤達也社長】創立20周年、チャレンジを促し企業風土変える

〈4つの分類の退職事由に該当する方が対象、社員にとっても会社にとっても有意義〉

――カムバック制度を導入した狙いは何ですか

中村 カムバック制度はやむを得ず退職する社員を再雇用する制度で、「出産・育児」、「介護・看護」、「結婚・配偶者と同居」、「国内外の教育機関の就学」のいずれかの事由に該当する退職者を対象にしています。これらは本人の意志だけでは決められないことで、プライベートの時間を割かないといけないため、当社で働く意欲があるのに退職を選択せざるを得なかった人に焦点を合わせました。復職できるのは社員にとっても有意義で、貴重な働き手に戻ってもらうことは会社にとっても有意義であり、社員一人ひとりの「多様な働き方の実現」を後押しする制度です。

――貴社の独自の仕組みはありますか

中村 いわゆるライフイベントだけでなく「国内外の教育機関の就学」もカムバック制度を利用できる範囲に加えたのが特徴です。カムバック制度を利用する流れとしては、退職時に同制度の資料を渡し、本人の意志を確認します。本制度を活用できる期間は退職から5年間の区切りを設けており、復職後は人事部と面談を行い、ご本人のキャリアと復職時の会社・組織からのニーズなどを照らし合わせ、配属を決めます。

――辻さんと森本さんのカムバック前の仕事内容を教えてください

健康素材と粉末油脂の商品開発を担当していました。入社して4年間、先輩の背中を見て、考え方をインプットしていく期間でした。

森本 お客さまへ技術的な内容をともなう商品提案のほか、特定のお客さまに対してカスタマイズした「留型商品」の開発を担当していました。お客さまと議論をしたうえで商品開発を行うため、開発のなかでは一番お客さまに近いセクションに在籍していました。採用された商品が店頭に並べられるのを見ると嬉しく、とてもやりがいがありました。

〈戻ってくるならJ-オイルミルズ、尊敬したいと思える人が数多くいる〉

――カムバック制度に登録した理由を聞かせてください

夫が米国に転勤することが決まり、付いていくことを決めました。結婚した時も、お互いの仕事の都合で離れて暮らしていました。駐在は5~7年の長期間になる可能性もあり、子供を諦めることになるのかと考えると、会社を辞めてでも付いていきたいと思いました。ただ、仕事を辞めること自体は望んだことではなかったので、カムバック制度に登録し、仕事に復帰しようと思いました。

森本 入社以降一緒に働いていた上司は尊敬できる人生のお手本になる人でした。そのような上司の部下だったから仕事も面白かったです。退職時にカムバック制度のことを聞き、商品開発の仕事が好きで、この上司がいるJ-オイルミルズに戻りたいと思いました。

私は2010年に入社し、10年間で育休と産休を2回取得しました。その間、部署異動はなかったため、自分の中では商品開発の仕事をやり切った感はありました。夫が南アフリカ共和国に転勤することになり、人生の新しいステップと考え、強い葛藤もなく退職することにしましたが戻ってくるなら、社員は優しく、本当にいい人たちのいる大好きなJ-オイルミルズと思っていました。

私も転職ではなく、この会社の人たちと一緒に働きたかったです。先輩のようになりたい、尊敬したいと思える人が数多くいます。

J-オイルミルズ 森本氏、辻氏
J-オイルミルズ 森本氏、辻氏

――カムバック後の仕事内容についても伺えますか

研究開発に関わる仕事をしたいと伝えました。海外事業部健康素材グループに配属が決まり、元々携わっていた健康素材の開発と、以前は手掛けてなかった大豆シート食品「まめのりさん」の開発を担当しています。

森本 人事との面談を経て、経営企画部に配属されました。現在は会社の中長期経営戦略の検討や内外環境の分析業務をしています。今まで培ってきた商品設計の知識をベースに部署内外でのディスカッション等を通じ、経営知識の習得に励んでいます。研究職の時は食の情報誌「dancyu」が愛読書で、開発する商品のことや食について四六時中考えていましたが、企画戦略グループで企業価値や企業哲学など新しい領域を学べる事は楽しく、私の将来の目標の実現にもつながっていると感じています。

〈負い目や焦燥感があった、存在意義を出すためボランティア始める〉

――退職後の経験が現在の仕事にどう活きると考えますか

仕事を辞めている負い目がありました。同期は仕事をしており、焦燥感がありました。せめてインプットする時間にしようと、資格勉強や研究論文を読むなど、様々なことに挑戦しましたが、どれも中途半端になっていました。ただ一番自分の身になったのは、米国で過ごした時間と、家族と過ごした時間です。カナダとの国境に位置するミシガン州に住んでいましたが、1年の半分が冬で、家にリスが入ってくるような環境だったため、毎日が発見でした。

森本 夫の転勤で南アフリカ共和国に駐在している間、自分の存在意義を考えさせられました。駐在生活は華やかでいいねと言われますが、自身の仕事で駐在していないため自分自身は何も成長していないように感じました。駐在1年目は自分の存在価値に悩み、2年目は気持ちを振り切って思いっきり遊ぶことを選びました。3年目は自分がここにいる証を残すために自分の子供達の通う現地の幼稚園と小学校でボランティアを始めました。

「伝説のママ」を目指し、南アフリカ人の友達にも「You’re a magic maker」「soooo special」と言ってもらえました。毎日終業時間より早く学校にお迎えに行き、子供たちや先生とひたすら話してコミュニケーションをとることで、各クラスの特徴を把握し、各クラスに合ったボランティアの内容を先生たちに提案しました。正式に許可をもらって週1~2回子供たちに日本の文化を教えました。南アフリカ共和国の公用語は11カ国語ありますが、第二言語は英語で生活しやすいです。子供たちは日本語にも興味を持っていたため、雨や川など風景に由来する漢字を想像するゲームや、日本食の紹介としてうどんやおにぎりも一緒に作りました。学校全体が日本のことを好きになってくれて、一番行きたい国は日本と言われるまでになりました。

最後の日には幼稚園、小学校の全クラスの子供たちと先生、仲良しの保護者が集まり、サプライズパーティーをしてくれました。子供たちが10ランド(100円相当)ずつ出し合ってアフリカの形のネックレスをプレゼントしてくれて、「私たちはずっと繋がっているよ」と言ってもらえました。南アフリカの友人たちや私の授業を楽しんでくれた子供たちの存在が支えになり、異国の地で自分の存在価値を証明できたことは私の中で大きな自信になりました。

J-オイルミルズ 中村氏、森本氏
J-オイルミルズ 森本氏

〈ブランクあっても希望の仕事に戻れる制度、違う職種でキャリアを積むことも〉

――カムバック制度を他の社員にどのように勧めますか

5年間仕事をしていない状態で日本に帰ってきました。普通の転職だと、総合職で、時短で働くのは難しい。ブランクがあるけれど、希望の働き方ができるのはいい制度です。これからカムバック制度を取る方には、どうか負い目を感じず、気負わないでもらいたいです。私が退職している期間に得られたのは、履歴書に書けることよりも、そこで過ごす1秒1秒でした。業務につながるか分からないですが、そういった感覚に入ってくることを活かしてくれる会社です。様々な人がいて面白いと言ってくれる会社だと思います。目の前のことを楽しんでもらいたいです。

森本 4年半ぶりの復職ですが、相談できる仲間がいるのは強みであり、懐かしい仲間たちとまた一緒に仕事ができる嬉しさと安心感は格別です。

――今後のキャリアや目標について聞かせて下さい

目標を立てるのは難しいです。家を建てる仕事をしている人がそれぞれ、レンガを重ねている、壁を作っている、家を建て、住む人を豊かにしたいと答える「3人のレンガ職人」の話がありますが、仕事をしていた時は、住む人を豊かにしたいというレベル感でした。会社を辞めて5年のブランクがある今は、仕事への自信が持てないためか、レンガを重ねる段階にいます。ただ、なくした自信は経験を積んで取り戻すしかないので、今はガムシャラに仕事をする時期にしたいです。多くの人と出会って、経験を積んで、住む人を豊かにする家を作るステップに進みたいです。

森本 現在は私自身の将来の目標に向けて、日々新しいことにチャレンジしています。その目標とは、第二の故郷のあるアフリカ全土にJ-オイルミルズの会社を設立し、私が習得した経営知識とお客さまニーズに応える商品開発力を活かして、アフリカの人の健やかな暮らしに貢献することです。南アフリカの友人たちにJ-オイルミルズを好きになってもらいたい。

J-オイルミルズ 辻氏、森本氏、中村氏
J-オイルミルズ 辻氏、森本氏、中村氏

〈社員のエンゲージメント強化に、ここに戻れるのは励みに〉

――人事が考えるカムバック制度のメリットは何ですか

中村 退職せざるを得なかった社員が仕事復帰を考えたときに当社で働く選択肢をとれることが、社員一人ひとりの多様なキャリア形成を後押しし、結果的にエンゲージメント強化につながると考えています。当社のいいところを知った上で戻ってきていただけるため、スムーズな環境適用が期待できることに加え、キャリア採用に期待する組織への刺激を提供することにもなると考えています。

働きたい意志があるのに、退職しないといけない人もいるが、この制度を通して当社に戻る選択肢があるということで、ライフイベントと向き合っていても励みになり、メリットだと考えています。会社の外に出て、自分の存在意義を見失いかけたり、キャリアビジョンに迷いが生じたりした時に、J-オイルミルズで働くという選択肢があると思えることは励みになるはずだと考えています。

――デメリットと考えることはありますか

中村 デメリットというより、現制度の足りない部分としましては、現在は対象が4つの退職理由に限られており、それ以外の理由で働きたいのに辞めざるを得ない方までサポートが及んでいないことです。一方で、この制度以外にも復職できるアルムナイ制度も昨年度から運用を開始しました。こちらはキャリアアップのために退職した社員も含めてすべて対象となります。幅広い退職理由全てが対象となっているため、復職のハードルはカムバック制度より少し高いですが、外部で得た経験を当社に持ち帰ってもらうことを目的とした制度のため、本人にとっても会社にとってもメリットがあり、カムバック制度との2本柱にすることで幅を広げられると考えています。

媒体情報

大豆油糧日報

大豆と油脂・大豆加工食品の動向を伝える日刊専門紙

大豆油糧日報

大豆から作られる食用油や、豆腐、納豆、みそ、しょうゆを始めとした日本の伝統食品は、毎日の食卓に欠かせないものです。「大豆油糧日報」では、発刊からおよそ半世紀にわたり、国内外の原料大豆の需給動向、また大豆加工食品の最新情報を伝え続けております。昨今の大豆を巡る情勢は、世界的な人口増大と経済成長、バイオ燃料の需要増大により、大きな変化を続けております。一方で、大豆に関する健康機能の研究も進み、国際的な関心も集めています。そうした情勢変化を読み解く、業界にとっての道標となることを、「大豆油糧日報」は目指しています。

創刊:
昭和33年(1958年)1月
発行:
昭和33年(1958年)1月
体裁:
A4判 7~11ページ
主な読者:
大豆卸、商社、食用油メーカー、大豆加工メーカー(豆腐、納豆、みそ、しょうゆなど)、関係団体、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送 *希望によりFAX配信も行います(実費加算)
購読料:
3ヵ月=本体価格29,700円(税込)6ヵ月=本体価格59,044円(税込)1年=本体価格115,592円(税込)