UCCの“食べるコーヒー”「YOINED(ヨインド)」が1年ぶりに再販、2023年は5日で目標数量達成、新訴求は酒肴シーンに寄り添う“おつまみコーヒー”
UCC上島珈琲は11月1日、独自製法の飲まないコーヒー「YOINED(ヨインド)」の味覚、パッケージを進化させ、約1年ぶりに発売する。見た目はチョコレートのようでも、カカオ豆を一切使用していない。コーヒー豆をまるごと凍結粉砕して新鮮なまま香りを閉じ込めることで、“飲む”ことでは味わえない豆本来の芳醇な香りの余韻を余すことなく味わえるという。
ラインアップは、コーヒー豆配合量40%の「CRAZY BLACK」と、コーヒー豆配合量15%の「MELLOW BROWN」。「CRAZY BLACK」は、約23粒分のコーヒー豆が1枚に凝縮。キレのある苦味、心地よい酸味、狂おしいほど濃厚な香りが広がる1枚。「MELLOW BROWN」は、カフェ・オレのようなコーヒーとミルクの調和。豆本来のフルーティな香りが広がる1枚という。「YOINED」は、この2種類が3枚ずつ合計6枚が入っている。価格は税込2700円。
UCCは、カカオ豆からチョコレートを作る工程をヒントに、粉砕した豆とコーヒーオイルを油脂でコーティングし、フレッシュな香りを保持することを実現させる独自の製法を確立。「YOINED」は、この特許を取得した製法でつくられている。
10月22日に行われた試食会で、UCCジャパン社サステナビリティ経営推進本部の小坂朋代さんは次のように語る。「“YOINED”はカカオ豆0%、チョコレートではありません。コーヒー好きを虜にする、深い余韻に浸れるコーヒーです。最大の特徴は、口から鼻に抜けるコーヒーの鮮烈な香りです」。
発売初年度の2023年は、飲むコーヒーよりも強く長くコーヒーの香りに浸ることができることに注目が集まった。UCCの公式ECサイトでは年内の販売目標をわずか5日で達成し、店頭でも発売日に列ができるなど、大きな反響が寄せられたという。
2年目となる今回、新たな試みも行っている。パッケージはお酒のボトルと持ち運び、一緒におけるように縦長のデザインを採用。味覚は、昨年はエチオピアだったが、今年はキリマンジァロの豆を採用した。販売場所は、公式EC、コーヒー豆挽き売り業態「UCCカフェメルカード」、「COFFEE STYLE UCC」に加え、「上島珈琲店」7店舗でも販売する。
そして、新たな訴求として、コーヒー好きの大人に寄り添い、お酒とマリアージュする「おつまみコーヒー」を提案する。“コーヒーの香りをお酒と嗜む”という、飲まないコーヒーならではの特性を生かしたマリアージュとなっている。
試飲・試食会では、UCCコーヒーアカデミーの専任講師で、オリジナルコーヒーカクテルの日本大会で3位に入賞した土井克朗さんが、「YOINED」に合うお酒の提案を行った。
そこで提供されたのは、コーヒー豆含有量15%の「MELLOW BROWN」には日本酒だった。合わせて楽しむと、いっそう華やかな香りになることから、会場は驚きの声があがった。
一方、コーヒー豆含有量40%の「CRAZY BLACK」は、ラムが提供された。口の中でコーヒーの香りがいっそう深くなる組み合わせとなっていた。
土井さんは、「“YOINED”は、ポリポリ食べるというよりは、口の中で溶かしながら香りの余韻を楽しんでいただきたい。ぜひ、口の中で少し溶かした後に、お酒を合わせていただくことによって、余韻の奥深さをいっそう楽しめると思います」と話した。
「YOINED」ブランドサイトでは、お酒のマリアージュを土井講師による監修で紹介している。自宅でも楽しみやすくするほか、一般向けの体験イベントも開催する予定という。
コーヒーの多様化が進み、現代はいろいろな味わいや飲み方が楽しめるようになったが、“食べるコーヒー”はその最先端の取り組みといえる衝撃を感じさせるものとなっている。