経済性と社会性の両立めざす/キユーピー・キユーピータマゴ「卵殻の利用を通じた持続可能な社会の実現」【食品産業技術功労賞】

第54回食品産業技術功労賞 サステナビリティ部門受賞
第54回食品産業技術功労賞 サステナビリティ部門受賞

キユーピーグループは、卵黄に限らず卵白や卵殻まで、卵を持続可能な方法で有効活用することに「キユーピー マヨネーズ」の製造販売を開始した当初(1925年)から長年にわたり取り組んでいる。

2023年には、キユーピータマゴの工場から排出される卵殻を100%使用した建築用床材バイオミックストーンを東リと共同開発し、新たな分野に挑み始めた。環境に配慮した施設や店舗への導入が進んでいる。

卵殻をプラスチック削減のために活用する事例も増えており、卵殻はバイオマス素材として付加価値の高い原料となりつつある。

さらに卵殻をカルシウム強化剤(カルホープ)として2002年に製品化、卵殻膜を化粧品の原料などに加工する技術も開発している。

キユーピーグループでは、国内の鶏卵生産量の約1割(約25万t)を使用し、卵殻は約2万8,000t発生しているが、このすべてをさまざまな用途で活用し、再利用している。

「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2024年時点)。

「第54回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)

▽一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆
▽国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也
▽国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美
▽独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央
▽独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興
▽日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛
▽食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹

〈食品産業新聞 2024年12月2日付より〉

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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