ミネラルウォーター市場に“無糖レモン”の提案、「アサヒ おいしい水 天然水 からだ澄む水」が新たな選択肢提供/アサヒ飲料

4月15日発売の「アサヒ おいしい水 天然水 からだ澄む水」
4月15日発売の「アサヒ おいしい水 天然水 からだ澄む水」

アサヒ飲料は、4月15日から無糖でレモンエキスの入った「おいしい水 天然水 からだ澄む水」(600mlPET)を発売する。同社は、環境に配慮したラベルレスボトルや白湯(さゆ)を展開してきたが、さらにミネラルウォーター市場に新しい選択肢を提供する。

新製品の「アサヒ おいしい水 天然水 からだ澄む水」は、“無糖+健康”というアプローチで、これまでのミネラルウォーターとは一線を画す提案を行う。同製品は「植物由来のアミノ酸(シトルリン※)」を配合し、レモンの爽やかな香りとすっきりとした後味で常温でも楽しめる味わいに仕上げている。

※シトルリン=スイカやキュウリなどに多く含まれるアミノ酸の一種で植物生まれの成分。

ターゲットは、ミネラルウォーターを積極的に飲まない「非飲用層」(2581万人)や、週1未満の「ライト層」(4686万人)で、両方を合わせると全国で7267万人に上る。(出典:インテージSCI、総務省統計局「人口推計」)そこで、アサヒ飲料はこの広大な潜在市場を、「飲みやすさ」と「健康感」で掘り起こしていく考えだ。

開発のきっかけは、生活者がミネラルウォーターに対して抱いている健康的なイメージがあるという。食べ過ぎ・飲み過ぎた時にはたくさん水分補給をすること、そしてミネラルウォーターを飲むことは、健康・美容につながるという生活者の持つイメージに着眼した。そこで“ひと味ちがう水”で、ミネラルウォーター市場の新領域を創造する。

コミュニケーションは、4月15日から俳優の二階堂ふみさんが出演するテレビCMを放映するほか、コアターゲットとするZ世代の理解促進へSNS施策や店頭での施策を行っていく。水の新定番にしていきたい考えだ。

(左から)マーケティング二部部長の高橋部長とウォーターグループリーダーの山口氏
(左から)マーケティング二部部長の高橋部長とウォーターグループリーダーの山口氏

同社で「おいしい水」ブランドを担当するマーケティング二部の山口真代さんは、次のように話す。「ミネラルウォーターに関心を持たれながらも、味がないという点で飲みにくさを感じている方が意外と多くいらっしゃる。そのような人たちにも、無糖で飲みやすい水を提供することで、より継続的に飲んでもらいたい」。

これまでにミネラルウォーター市場の味のついた製品は、フレーバーウォーターや、果汁入りのものなど有糖タイプが多く、無糖で成功したものはほとんどなかった。今回の“植物生まれのアミノ酸入り無糖レモン”という新価値が受け入れられるか注目される。

「アサヒ おいしい水」は、1983年に発売された「六甲のおいしい水」に起源をもち、2025年で発売42年を迎えるロングセラーブランド。現在は、「三ツ矢」「ウィルキンソン」「カルピス」に続く、“次の100年ブランド”を目指し、新たな価値創造に注力している。

“水は無味・無臭でどれも同じ”と思われがちであり、差別化が難しく、採水地以外の価値訴求がしにくいカテゴリーだ。だが、アサヒ飲料は水に新たな価値をつける取り組みを真正面から行ってきた。

その象徴的な取り組みが、競合より先に市場投入した「ラベルレスボトル」や、ラベルの“極小化”を追求した「シンプルecoラベル」、そして「白湯」の展開だ。環境への取り組みや使いやすさ、飲用シーンを広げることにより、水の新たな価値を提供してきた。

アサヒ飲料マーケティング二部長の高橋徹氏は、「お客様に“驚き・喜び”をもたらす新価値の提供をさらに加速し、ミネラルウォーター市場の裾野を拡大することに取り組む」と話した。

「アサヒ おいしい水」ブランドが取り組んできた水の新価値提案は、市場でも受け入れられつつある。ラベルレス製品は、いまでは各社がさまざまな飲料で展開している。また、シンプルecoラベルは直近2年で300%の伸長となった。CO2排出量を63%削減できることや、ラベルがはがしやすく分別がラクな点が支持された。

「白湯」は、好評を受けて2024年から通年販売に踏み切った。秋から冬にかけての季節的需要に加え、冷たい水が飲みづらいと感じる人に新たな選択肢を提供している。

2024年のミネラルウォーター市場は、売上額が前年比108%見込で着地した(出典:食品マーケティング便覧)。健康感とおいしさ・飲みやすさで支持され、清涼飲料で最も成長しているカテゴリーとなっている。

各社のプロモーションも活発化しており、2025年も成長が見込まれる。その中で「アサヒ おいしい水 天然水 からだ澄む水」の提案は、無糖×健康訴求を行うユニークさがあり、水をこれまであまり飲んでこなかった層にも響きそうだ。

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昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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