アサヒ飲料が自社最大の配送センターを群馬に開設「財務的価値と社会的価値を追求」
鉄骨2階建ての構造で、保管面積は約3万4650㎡。サッカーコート約5面分の広さの同施設は、1階が北関東エリアにある量販店などの流通に向けた出荷拠点となり、2階が同社群馬工場と飲料茨城工場などで製造された飲料商品の保管拠点となる。投資額は約55億円。最大170万箱を保管でき、年間では同社出荷量の約15%にあたる約3500万箱に相当する。
アサヒ飲料の岸上克彦社長は、「設備投資においても財務的価値と社会的価値の両方を追求することが重要だと考えている。群馬配送センターの開設により、群馬工場で生産した商品を保管するために近隣で借りていた倉庫を返却・集約し、北関東エリアでの物流の効率化を図ることで、年間約6億円のコストダウンが見込める。また、保管拠点を集約することにより輸送効率向上と工場からの走行距離の短縮が可能となり、年間1万1000台程度のトラック輸送の削減が見込まれる。ドライバー不足などの社会的課題の解決につなげていきたい」と話した。なお、CO2排出量も車両台数の減少により年間で約23トンの削減が見込まれ、環境負荷低減につなげていく考えだ。
群馬工場では、従来の「カルピス」ブランドの生産に加え、アサヒ飲料のブランドの製造開始により生産量が増加している。2017年には、約50億円をかけて従来の2ラインから3ラインに増設し、同工場での生産量はさらに増加することが予想される。群馬配送センターの開設は、不足していた保管機能を増強するために配送拠点を新設する意味合いと、保管拠点としてだけではなく、北関東エリアへの配送拠点とすることで物流効率化や環境負荷低減も可能となった。