「ボス」働き方・世代を超えて愛されるブランドへ―サントリー食品

サントリー食品インターナショナル・柳井慎一郎執行役員
サントリー食品インターナショナルは2月26日、都内で「ボス」の戦略発表会を開催した。「ボス」は昨年、発売以来25年連続成長を達成し、前年比6%増の9900万箱となった。販売構成比の高いショート缶で“深化”を続け、新たなユーザーを創造する“進化”では、「クラフトボス」が発売初年度で1000万箱を上回ったことが好調の要因となっている。

同社執行役員の柳井慎一郎食品事業本部ブランド開発第二事業部長は、「成長のエンジンは(小容量PETコーヒーの)“クラフトボス”だ。キーポイントは、缶コーヒーというジャンルではなかなか到達できなかった若年男性と女性層へのアプローチに成功し、大変高い支持を得た点である。新しいお客様を創造し、未来に進むという進化が開花したと考えている」と話した。そして、「ボスのブランド力の点で、潮目が変わりつつある。全ての飲料カテゴリーの中で一番好きなブランドを聞く調査で、ボスは3年前から男性では1位を獲得していたが、女性においては2位か3位だった。しかし、昨年末には、女性層でも60代以外で1位を獲得でき、本当の意味で国民的なブランドに近づいている」と語った。

潮目の変化の中、「ボス」は新たに“働き方・世代を超えたブランドへ。”というビジョンを定めた。これは、ブランドを単に時代の変化に対応させるだけではないという同ブランドの姿勢を示すもの。「昨今、働き方改革という言葉が多く出ているが、“ボス”はそうした変化についていけずに、とまどいながら、もがきながら、でも懸命に真面目に働いている人たちに、どのブランドよりも深く、温かく寄り添っていきたい。一方、これから新しい生き方を模索してチャレンジしようとする若い人たちを応援し、受け入れる懐の深さを持ちたい。この2つを愚直に進めていくことが、ビジョンに近づく道だと確信している」(柳井執行役員)。

〈今年も「深化」と「進化」を加速、新しい働き方の兆し捉えたプロモを展開〉
今年の戦略も、缶コーヒーを愛する既存ユーザーとの絆を深める“深化”と、多様な嗜好やマインドに応え、新たに今までとは違うユーザーを創造する“進化”をさらに加速させる考えだ。

ショート缶とボトル缶の深化戦略では、〈1〉話題のヤマ作りの継続として、常に缶コーヒーが“国民的娯楽”であり続けるため、「ボスで休み方改革」などの話題性のある大型キャンペーンを継続するとともに、〈2〉網の目での絆作りとして、東北限定のボスのデミタスリニューアルや北海道限定のロング缶の微糖発売、さらにスパリゾートハワイアンズとのコラボ(バスでハワイ)など、地域密着型で各地域の嗜好に応えるエリア商品&キャンペーン展開を行う。

「クラフトボス」を中心とした進化戦略では、新しい働き方の兆しを捉えたプロモーションを展開する。快適なワークスタイルの推奨でZOZOTOWN の協力を得てスニーカーやデイバッグのプレゼントや、5月にはイエナカの仕事時に向けたまとめ売り(「クラフトボス」4本キャリー)を開始する。また、3月末には同500mlPETを自販機で投入開始するほか、6月には新商品も投入する予定。

さらに、昨年に前年比38%増となった濃縮タイプの「ボスラテベース」は、共働き世帯ユーザーが増加していることに着目し、時短+豊かさをテーマにコラボキャンペーンを展開する。4月は山崎製パンの「ランチパック」と、5月はカルビー「フルグラ」と、7月はハーゲンダッツとともに展開し、働くママを支援する。これらの施策により、今年の「ボス」ブランドは1億ケース突破にチャレンジする考えだ。

〈酒類飲料日報 2018年2月27日付より〉

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