“コーヒーを科学する” UCCが神戸本社敷地内に研究開発施設を設置
日本におけるコーヒーは、消費量が年間40万トンを超える規模にまで拡大しており、飲用者が増えたことで質の向上やニーズの多様化も進んでいる。
UCC イノベーションセンターの沿革は、1969年に開発・発売した世界初の缶コーヒーの製造工場内の品質管理部門を起点に、「中央研究所」を経て、97年からは「R&Dセンター」と機能拡充に取り組んできた。「UCC ブラック無糖」のキレ味を強化しながら、深い香りや立体的なコク・ボディ感を実現する「TTND(三温度帯抽出)製法」を生み出したり、コーヒーと食べ物の相性を分析する「UCC フードマッチングシステム」など、常にコーヒーに科学の眼を持ち込んでいることが特徴だ。
より神戸本社との連携が強化されるイノベーションセンターは、1522平方m(建屋延べ面積)に最新のテクノロジー設備を備えている。そのうち、「超高感度 分析機器」(LC-MS/MS)は、コーヒーに含まれる機能性成分を超高感度に分析することが可能。これは、25mプール(約500トン)の水に、ブラック無糖185g缶をこぼしても、そのカフェイン量を推測できるレベルという。同社では、ポリフェノールを中心としたコーヒーの持つ機能成分などの研究も含め、カップから農園まで、コーヒーのあらゆる可能性を追求し、新技術・新製品、サービスの創出を目指す考え。
超高感度 分析機器(LC-MS/MS)
UCCホールディングス社グループ代表の上島達司会長は、「日本のコーヒーの消費量は伸びている。われわれはおいしさとともに、コーヒーの楽しさを提案していく。イノベーションセンターをテコにしながら、コーヒーの街・神戸といわれるように取り組んでいきたい」と話した。
〈酒類飲料日報 2018年4月4日付より、一部改稿〉
【関連記事】
・コーヒーの消費量 6年ぶりに減少も、”拡大傾向”は継続
・開拓者「クラフトボス」に挑む コーヒー専業UCCが本格参入、小容量PETコーヒー活性化
・“コーヒーは名脇役” UCC新店はチーズやチョコとのマッチングを初心者に提案
・UCCグループから世界一のサイフォニスト 「WSC2017」で優勝