「コカ・コーラ」史上初のフローズン飲料 “シャリシャリ食感”実現に構想から8年
同製品は、パウチごと凍らせ、揉みながらシャーベット感覚で飲む容器入りフローズン飲料で、クリーミーなシャリシャリした食感が楽しめる。レモンのアクセントもポイントという。
なぜ、フローズン飲料の開発に着手したのか。日本コカ・コーラの島岡芳和コカ・コーラグループ統括部長は、「夏に最高においしい“コカ・コーラ”を楽しむ体験を追求してきた。2014年に、氷のボトルに“コカ・コーラ”を入れて飲む“氷のコンツアーボトルキャンペーン”を、2016年には、開栓するとフローズン状になる“アイスコールド コカ・コーラ”を展開するなど、氷点下の温度帯で“コカ・コーラ”を楽しんでいただく施策に取り組んだところ、お客様からの反響がわれわれの想像以上に大きかった。そのため、“凍る”というコンセプトと、“コカ・コーラ”の組み合わせは、もっといろいろなバリエーションで新しいおいしさが作れるのではないかと考え、新しいフローズン飲料の開発を本格的に進めた」と話す。
〈70種類の成分を検証、100近い試作品を作って技術的制約をクリア〉
同商品は、最初の構想から商品化に至るまでに、技術的な制約があったため8年かかったという。島岡部長は、「通常の“コカ・コーラ”を、そのまま凍らせると解凍する際に二酸化炭素が気体となるため、その圧力で破裂してしまう危険がある。そういったことがないように、炭酸がなくても“コカ・コーラ”の冷たい刺激をどうやっておいしく楽しんでいただくかを考えた。最初は、カチカチに固まって溶けないという課題に直面し、次にシャリシャリしたシャーベットの食感を実現するために何度も挑戦した。70種類以上の成分を検証し、100近い試作品を作って商品化に至った」と話す。
工夫したポイントは原材料の成分のバランスを調整し、液体が凍る温度のコントロールを行ったことで、全体が凍る凝固点を少し下げてゆっくり凍らせ、シャリシャリの食感が楽しめるようにしたという。
氷菓市場は成長しており、同社の分析によるとフレーバーの違いを楽しむというニーズから、最近では食感を楽しむというニーズが生まれているという。また、アイスクリームの容器について潜在的な生活者の不満点を考えた際に、一度開けると残しておけないことや、手が汚れることなどがあったため、同社は新商品で顧客のニーズに応えていく。「アイスクリームを競合とは思っていない。どちらかというと新しい飲用体験の創造がねらいだ。“コカ・コーラ”の楽しみ方に面白い体験をプラスしていきたい」(島岡部長)。
氷菓市場の分析(日本コカ・コーラ社)
なお、同日には、「ファンタ フロ-ズン グレープ」と「同 オレンジ」(同)も同時発売する。「ファンタ」のフルーティーさがシャーベット感覚で味わえるという。
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