伊藤園、抹茶の取扱量を3年で倍増へ 高品質ブランド「四方の春」始動

伊藤園、抹茶の取扱量を3年で倍増へ 高品質ブランド「四方の春」展開
伊藤園は19日、同社独自の宇治抹茶ブランド「四方の春(よものはる)」を立ち上げ、11月26日から「四方の春」を使用した4商品を展開すると発表した。今後は同社の抹茶商品の全てに使用する考え。

国内の抹茶市場は、5年間で約2倍に伸長し、2018年には約200億円規模の市場に拡大することが見込まれ、飲用以外の使用方法が5割を超える状況という(伊藤園調べ)。抹茶は、米国を中心に世界でも健康性の高さからスーパーフードとしても知られている。ただ、抹茶の人気が高まり、さまざまなブランドやカテゴリーから抹茶商品が出る中で、市場には品質にバラツキがある状況になってきていることから、同社は自社の扱う抹茶について1.5倍の単価の抹茶「四方の春」を使い、品質で差別化し、「抹茶といえば伊藤園」をアピールするねらいだ。

加えて、品質が高い抹茶を安定的に調達するため、栽培地も京都だけでなく、静岡、鹿児島(4カ所)の合計6カ所で契約栽培するなどの工夫を行う。国内の抹茶市場約5800トンのうち、伊藤園の取扱量は約12%の700トンだが(2018年見込)、2021年には2018年の2倍にする計画だ(伊藤園調べ)。

同社専務取締役の社三雄マーケティング本部長は、「抹茶は、国内外で需要が高まっている。より手軽に楽しく抹茶を飲んでいただけるかを考え、取り組んでいく」と語った。

11月19日開催 新ブランド「四方の春(よものはる)」発表会

11月19日開催 新ブランド「四方の春(よものはる)」発表会

また、同社マーケティング本部の安田哲也ブランドマネジャーは、「当社が展開している緑茶飲料“抹茶入り お~いお茶”は、他の商品に比べて10代~30代男性のユーザー構成比が高い。これは、苦さや渋さを敬遠する若者たちが、抹茶に対してあまみや旨みのイメージを持っていることや、“抹茶=クールジャパン”のイメージがあるためと思われる。ここをヒントに若者に向けて新しい抹茶の文化を創造していくことを目指し、抹茶の商品ラインアップをいっそう強化していく」とした。

「“抹茶”に対する意識・イメージ」(伊藤園)

「“抹茶”に対する意識・イメージ」(伊藤園調査)

「四方の春」を使用した商品は、「抹茶入り お~いお茶」(280mlPET/115円、525mlPET/140円、600mlPET/同)、「matcha LOVE 抹茶ゼリー」(215gボトル缶/148円)、「京都宇治抹茶入り お~いお茶(ティーバッグ)」(3g×24袋/450円)、「同 お~いお茶1000(リーフ製品)」(100g/1000円)の4品(いずれも税抜き価格)。
 
なお、「四方の春」には、新しいことの始まりや幸せという意味があることから、抹茶の新しい楽しみ方を提案したいという思いを込めてブランド名に採用。波紋をあしらったブランドロゴは、幸せの広がりをイメージしているという。
 
〈酒類飲料日報 2018年11月20日付より、一部改稿〉