東京駅前に「常盤橋TEA’s Park」、茶殻リサイクル製品による“癒しの空間”/伊藤園
伊藤園は去る12月12日、三菱地所が事業を進める「東京駅前常盤橋プロジェクト」で暫定利用している中央通路に、『常盤橋TEA’s Park』(ティーズパーク、東京都千代田区)をオープンした。「お~いお茶」525mlペットボトル約1万2300本の茶殻を使用した茶殻リサイクル製品による癒しの空間をコンセプトにオープンしたもので、茶殻を充填材に使用した人口芝など茶殻リサイクル製品を複数配置した。
オープンに際し開いた記者会見で伊藤園広報部の原滋典部長は、『常盤橋TEA’s Park』開発の経緯と狙いを次のように話した。「三菱地所には自動販売機の設置で日頃から様々なロケーションを提案いただいており、『東京駅前常盤橋プロジェクト』を推進する中、当社に協力を呼び掛けていただいた。茶殻を人口芝に活用するなど、『常盤橋TEA’s Park』を通して、伊藤園らしい寛ぎの場、癒しの空間を提供していきたい」。
当該エリアには、伊藤園とミズノが共同開発した、表面温度上昇抑制効果があるField Chip「Greentea」(フィールド チップ「グリーンティー」)を充填材として使用したロングパイル人工芝を約290平方メートル採用。黒ゴムチップの充填材と比較して表面温度の上昇を最大7℃抑制する効果がある。また、抗菌消臭効果と表面温度上昇抑制効果がある「茶殻配合シート」を装着した自動販売機「茶殻配合シート装着型 自動販売機」や、お茶の香りがする「茶殻配合ベンチ」を設置した。
「お~いお茶」をはじめとする日本茶飲料の販売拡大に伴い、製造過程で排出される茶殻の量は年々増加(17年度の排出量は約5万9200トン)している。伊藤園では、2000年から茶殻などの飲料残渣を工業製品などに有効活用する研究開発を推進しており、畳や建材、樹脂製品、「お~いお茶」のペットボトル用段ボールなど、約100種類の茶殻リサイクル製品を開発している。今後も、「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトである「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」という考えのもと、茶殻を活用した製品の研究開発に積極的に取り組むことで、「茶畑から茶殻まで」の一貫した環境経営を進め、本業を通じた社会貢献活動の輪をより一層広げていくという。
〈食品産業新聞 2018年12月24日付より〉