「クラフト系ペット紅茶」発売相次ぐ、無糖や甘すぎない味わいがカギ
ペットボトルコーヒーがこの1~2年で一気に定着した流れを受け、紅茶飲料でも素材や味わいやパッケージにこだわった「クラフト系ペット紅茶」の新製品が相次いで発売されている。共通しているのは、無糖や甘さが抑えられている点だ。パッケージは新形状ボトルの採用が多く、登場感を打ち出している。
発売から1年で累計出荷本数1億本を突破したのは、コカ・コーラシステムの「紅茶花伝 クラフティー」シリーズだ。「紅茶に果汁をたっぷり注ぐ」という、新コンセプトの紅茶飲料。2018年3月に「同贅沢しぼりオレンジティー」を、同10月に「贅沢しぼりピーチティー」(各410mlPET)を発売して好評となり、紅茶ユーザーだけでなく、果汁の自然な甘さでリフレッシュできる飲料を求める層に支持され、新たなトレンドを作った。
ペットボトルコーヒーで大成功を収めたサントリー食品の「クラフトボス」は、「真に働く人の相棒であるためには、コーヒーだけではカバーできない」(同社)として、「クラフトボスTEA ノンシュガー」(500mlPET)を3月19日から発売する。香りが高く、渋みのない味わいが特徴の無糖のストレートティーで、コーヒーの苦手な層にもアプローチする。
紅茶カテゴリートップの「午後の紅茶」(キリンビバレッジ)は、ペットボトルコーヒーユーザーの取り込みに向けて新製品を投入し、こだわり品質の新シリーズ「午後の紅茶 ザ・マイスターズ ミルクティー」(500mlPET)を3月26日から発売する。社会人となり甘さから離れる顧客に対し、カロリーを気にせず楽しめる甘くない微糖ミルクティー。大人の気分転換にふさわしい味覚を目指したという。
国産素材無糖茶をシリーズ展開するポッカサッポロフード&ビバレッジは、16年秋に発売した「知覧にっぽん紅茶 無糖」(500ml/275mlPET)が、“無糖なのにほのかに甘い”と好評を得ている。鹿児島県知覧産紅茶を100%使用したこだわり製品だ。
無糖の紅茶で忘れてはならないのは、今年発売30周年となる大塚食品の「シンビーノ ジャワティストレート」(レッド/ホワイト、500mlPET他)だ。30年間続けているこだわりは、無糖・無香料・無着色、ジャワ島産茶葉の100%を使用していること。クラフト紅茶の元祖ともいえる存在だ。今年は4月以降、「同 レッド」のパッケージに30周年シールを貼付し、ロングセラーの安心感と懐かしさの想起を図る。
各社から「クラフト系ペット紅茶」が続々と発売されることにより、売り場では無糖や微糖の甘くない飲料の選択肢がいっそう広がることになる。生活者の“糖離れ”の傾向は続きそうだ。
〈食品産業新聞 2019年3月18日号〉