野菜のテーマパーク「カゴメ野菜生活ファーム富士見」で工場見学や収穫体験、子どもから大人まで楽しめる新施設

4月26日オープン「カゴメ野菜生活ファーム富士見」の中核施設「ファームハウス」
カゴメは4月26日、長野県諏訪郡富士見町に「カゴメ野菜生活ファーム富士見」を開園する。「農業・工業(食品製造)・観光」が一体化した体験型の“野菜のテーマパーク”。

八ヶ岳と南アルプスに囲まれた自然の中で、農業体験や、収穫した野菜を使った調理を楽しめる施設。周囲の休耕地を活用してトマト温室や露地栽培圃場を設けており、敷地総面積は約21haと広大。同施設を拠点として、近接するカゴメ富士見工場の工場見学も実施する。入場無料、ただし農業体験や調理体験などの一部コンテンツは有料。公式サイトではすでに工場見学や調理体験の予約受付を開始しており、「ゴールデンウイーク中の枠は埋まりつつある」(カゴメ広報)。
 
〈農業体験や調理体験、レストランで本格イタリアンも〉

「カゴメ野菜生活ファーム富士見」主なコンテンツは、
〈1〉農業体験(トマトなどの野菜の苗植えや収穫)
〈2〉調理体験(野菜を使ったピッツァやトマトジャム、トマト大福など)
〈3〉観光温室(フォトスポットになる“トマトの樹”や、原種や珍しいトマトの展示)
〈4〉工場見学(カゴメ富士見工場)
――など。

施設の中核となる観光施設「ファームハウス」内のショップでは、地元企業と共同開発したジャムやフィナンシェ、ファーム限定パッケージの「野菜生活100」や、マグカップ・缶バッジなどのオリジナルグッズを販売する。また、施設内のレストラン「IL FAGGIO」(イル ファッジョ)では、イタリア製の薪窯で焼いた本格ナポリピッツァなど、地元の食材を使ったイタリア料理を提供する。

施設内のレストラン「IL FAGGIO」では薪窯で焼いた本格ナポリピッツァを提供

施設内のレストラン「IL FAGGIO」では薪窯で焼いた本格ナポリピッツァを提供

〈トマトの苗1株から1万個以上の実、フォトスポットにも/観光温室〉
「ファームハウス」の周辺では、休耕地を活用して誕生した広大な菜園が広がり、最新鋭の温室でトマト栽培なども行う。収穫した野菜は、施設内のショップで販売したり、レストランのメニューに使用する。工場でジュースの原料にすることも計画している。また、工場の排温水を菜園の温室に再利用するなど、“環境に優しい”農業を目指している。
 
観光温室の中ほどに立つ巨大な“トマトの樹”は、一般に流通している「高リコピントマト」と同じ種を植えたものだが、水耕栽培で生産性を高める技術を利用し、1株から1万個以上の実がなる。夏~秋にはハウスの天井いっぱいに広がり、「フォトスポットとしてもおすすめ」(カゴメ広報)という。

「フォトスポットとしてもおすすめ」の“トマトの樹”

「フォトスポットとしてもおすすめ」の“トマトの樹”

〈野菜ジュースの匂いに包まれた見学通路、ジオラマやプロジェクションマッピングも/工場見学〉
「カゴメ野菜生活ファーム富士見」から出発する「カゴメ富士見工場」の工場見学ツアーは無料・予約制で1回80分、1日8回実施する。同工場はトマトジュースや「野菜生活100」を生産し、野菜ジュースの生産量はカゴメの全国6工場で最大。200ml換算で年間5.4億本分(2018年実績)を生産する。見学は、野菜ジュースの甘い匂いに包まれた見学通路から実際の生産現場を見られるだけでなく、併設の「ミュージアム」で、かつてウスターソースなどの原料となる醸熟液の製造に使われていた“醸熟タンク”を利用した、ジオラマやプロジェクションマッピングで、畑から野菜ジュースが作られるまでのカゴメのものづくりへのこだわりを見られる。

工場見学はアテンドが引率。手持ちのデバイスで、細部を見られるVR映像も。

工場見学はアテンドが引率。手持ちのデバイスで、細部を見られるVR映像も。

〈開園準備に6年、“自然をおいしく”を実践できるテーマパーク〉
カゴメの寺田直行社長によると、自治体や周囲の農地所有者との調整を含め、開園の準備には6年ほどの期間を要したという。寺田社長は開園に先立ち17日に開催した内覧会で、「カゴメのコーポレートメッセージ“自然を、おいしく、楽しく。”を実践できるテーマパークとなる。皆さんに、野菜を食べるだけでなく“野菜と親しむ”生活スタイルを取り入れていただきたい」などと語った。開園初年度の集客目標は約3万人。「当初はもっと大きな人数を想定したが、人をたくさん呼ぶことよりも、満足度を高めることを目標としたい」(寺田社長)。
 
運営を担うカゴメ野菜生活ファーム株式会社(カゴメの100%子会社)の河津佳子社長は、「幅広い世代に楽しんでもらい、稼働から51年目を迎えるカゴメ富士見工場のように、地元からも愛される存在になりたい」とした。

醸熟タンク(左)の下部の小窓の中にはジオラマ(中)、タンクに投影するプロジェクションマッピングも(右)

醸熟タンク(左)下部の小窓の中にはジオラマ(中)、タンクに投影するプロジェクションマッピングも(右)

〈「カゴメ野菜生活ファーム富士見」概要〉
・所在地=長野県諏訪郡富士見町富士見 9275-1
・営業期間=4月~11月を予定(12月~3月は休業予定)
・営業時間=10時~18時 (季節により変更になる場合あり)
・休館日=火曜日(祝日除く) ※2019年4月30日は通常営業
・入場料=無料(農業体験・調理体験は有料、工場見学は無料)
・敷地=約7,000平方メートル(建屋=820平方メートル)
・駐車場=普通車85台、大型バス4台、駐輪場8台(全て無料)
・WEBサイト(見学・体験等の予約受付)=https://www.kagome.co.jp/ysfarm/

外には菜園や八ヶ岳の眺望が広がる

レストランのテラス席からは広大な菜園や温室、八ヶ岳の眺望