「銭湯×コーヒー」でランナーの体のケアを支援、都内8カ所にランニングステーション/浴場組合×ネスレ日本
東京都公衆浴場業生活衛生同業組合(浴場組合)とネスレ日本は、銭湯とコーヒーでランニング愛好者の体のケアをサポートする「銭湯×コーヒー ランニングステーション」を、東京都内で8ヵ所設けた。
これは、入浴料(460円)とコーヒー代金(2杯で30~100円/価格は店舗による)を含む利用料を支払うと、銭湯をランニングステーションとして使うことができるもの。利用者は、荷物を預け、着替えることができ、ランニング後には湯船で入浴して疲れを癒し、新たに設置されたマッサージ機器で体のケアをすることができる。
利用者には、ランニング前と入浴後にそれぞれ1杯ずつ、同社の「アイスクレマサーバー」のブラックのアイスコーヒーを飲んでもらうが、瓶容器の牛乳と「ネスカフェ」のポーション製品を購入し、瓶に入れて飲むメニューも別途販売しているという。
また、8か所のランニングステーションごとに、楽しく走ることのできる推奨コースが、シドニー・アテネオリンピック長距離元日本代表の大島めぐみさんが監修し用意されている。約3kmの初級者向けコースから、約7.5kmの上級者向けコースまで8つあるが、公園や川のそばを通過するなど、比較的走りやすく景色が良いコースが多いという。
推奨コース例(台東区・堤柳泉 中級レベル 約5km)
5月21日に台東区の銭湯・提柳泉で開かれた発表会で、大島さんは「走り始める前には、しっかり準備運動をしてください。その中でもランナーの方に最もほぐしてほしいのは肩甲骨と股関節です。その可動域をしっかり広げてください。そして、ランニング後は湯船につかり、マッサージ機器などで体をケアして疲れを取ることが継続するコツです」と話した。
大島さんによる準備運動・マッサージ実演。ランニングステーションでは右写真の「ドクターエア 3D マッサージロール」を利用できる
浴場組合の佐伯雅斗常務理事によれば、都内の銭湯は、昭和40年代に約2600ヵ所あったが、現在では10日に1軒のペースで減り、530軒程度になったという。
「利用者は高齢者のイメージがあるため、当組合では若い方や女性に来ていただけるような取り組みを進めているところだ。ただ、ランニング時に銭湯はこれまでもよく利用されていた。銭湯の飲み物といえばコーヒー牛乳が有名であるが、コーヒーを飲まれる方はほとんどいなかった。今回のランニングステーションで新しい方に来ていただくとともに、コーヒーが定番になっていくといいと思う」(佐伯常務)。
ネスレ日本飲料事業部の高岡二郎さんは、「人生100年時代に突入しているが、健康寿命はあまり伸びていない。ただ、健康を維持するために、食事に気をつけたり、運動を定期的にする人が増加し、ランニングをされる方も増えている。そのランナーの方にとっては、気軽に着替えや入浴をできる場所があまりないという問題があった。もともとコーヒーはランニングと相性の良い飲み物だと考えていたので、コーヒーを通じてお客様の問題を解決するため、“銭湯×コーヒー ランニングステーション”という新しい試みにとり組んだ」と話した。
〈コーヒーの運動との併用効果に注目〉
なぜ、コーヒーとランニングの組み合わせが良いのか。その点について、同社ウエルネスコミュニケーション室の福島洋一室長は、「コーヒーに含まれるカフェインは、基礎代謝を上げ脂肪燃焼を促進する作用があります。運動との併用効果が注目されており、適度なカフェインは持久運動パフォーマンスの向上や疲労感の軽減に役立つことも知られています。また、コーヒーにはポリフェノールが多く含まれることから、コーヒーポリフェノール摂取の多い女性は紫外線によるシミが少ないことも、日本人女性131名対象の調査でわかっています」とする。
ただ、カフェインには利尿作用があるとされている。この点について福島室長は、「確かにコーヒーに弱い利尿効果はあるが、体水分量、つまり水分補給効果は水と同等のため、脱水になることはなくコーヒーで水分補給ができることが研究でわかっています」と話した。
「銭湯×コーヒー ランニングステーション」(全て東京都)
▽若松湯(足立区中央本町)
▽提柳泉(台東区千束)
▽寿湯(台東区東上野)
▽梅の湯(立川市高松町)
▽第一金乗場(板橋区若木)
▽松の湯(品川区戸越)
▽白山湯(江東区枝川)
▽萩の湯(台東区根岸)