渋谷ヒカリエにお茶のカフェ「伊右衛門サロン」、東京初出店、人生100年時代に向けお茶の魅力を発信
同店のメニューは、氷水で一晩かけてゆっくりと抽出した味わい深い「水出し茶」など、旨味成分「テアニン」が豊富な日本茶が愉しめる「日本茶バー」を用意するほか、「お茶」を軸に開発されたバラエティー豊かなティーメニューをラインアップ。ビネガードリンクと「お茶」を組み合わせたカクテルや、野菜や果物との美しいコンビネーションを表現したメニューを揃える。
飲み物は「日本茶バー」やビネガードリンクとお茶を組み合わせたカクテルを用意
スイーツは、動物性食材を一切使用しない100%植物性のビーガン・デザートをラインアップ。「おはぎ」をモダンにアレンジした「cohagi(コハギ)」や、全てに「お茶」を使用したパフェ、パンケーキ、ティラミス、かき氷などを用意している。
スイーツはお茶を使用したパフェ、パンケーキ、ティラミス、かき氷などをラインアップ
フードメニューでは、「お茶」と共に滋味あふれる食材を堪能できるメニューを用意。栄養バランスを考慮し、生野菜と約8種類のおばんざいを取り揃えた「おばんざいバー」を展開、メインのおかず・オリジナルのブレンドにより糖質やカロリーを抑えたごはん・味噌汁とセットになった定食メニューを提供するほか、京都の伝統を受け継ぎながらモダンな解釈で再編集した「蒸し寿司」や、熱々の釜で炊き上げる「釜炊きご飯」、お茶によく合うアラカルトメニューなども取り揃えている。
フードは「おばんざいバー」や「蒸し寿司」「釜炊きご飯」などを提供
カフェ・カンパニーの楠本修二郎社長は、2日に行われた発表会で「(“伊右衛門サロン”のミッションである)Well-Beingは、人の健康的な食を通じて人の生活に寄り添うこと。それは、どこかで失われていた人間性の回復だと考えている」と話した。
同社は今年、サントリー食品インターナショナル及び“伊右衛門”の茶葉を提供する福寿園から「伊右衛門」ブランドの飲食展開に関するライセンスを取得。今年3月には、京都・烏丸三条で展開してきた「伊右衛門サロン」を、京都・東山に「伊右衛門サロン アトリエ京都」として移転・リニューアルしている。
サントリー食品インターナショナルの沖中直人常務執行役員は、「当社は2018年秋から“100年ライフプロジェクト”を進め、特茶プログラムや健康茶のポートフォリオ強化しており、今回の“伊右衛門サロン”もその一環。もともと“伊右衛門サロン京都”は、お茶を通じて日本の豊かな生活文化をデザインすることを考え、お茶が真ん中にあるカフェを作るねらいで、カフェ・カンパニーに協力していただき取り組んできた。さらに進化させるため、テーマを“Well-Being”と設定している」とした。
また、「伊右衛門」ブランドの今後の展開について、「プロダクト(商品)を売るだけでなく、商品とサービスをつなげることで、お客様との関係性をより強固なものにし、より役に立つブランドだと思っていただけるようにしたい」と話した。
福寿園の福井正興社長は、「古き良きお茶を、ずっと同じ味で、同じ飲み方で、同じ愉しみ方で伝え続けることも大切だ。だが、それだけではお客様にお茶の魅力は伝わらない。私たちは100年先の世代に対して、日本茶、宇治茶の素晴らしい文化、伝統、味わいをいかに伝えていくか、残していけるかが使命だと考えている。そのためにも、カフェなどの様々なスタイルに取り組み、お茶を一人でも多くの人にお伝えしていきたい」と話した。
なお、発表会では、サントリー食品との共同研究で、緑茶に含まれる「テアニン」摂取が将来の2型糖尿病発症リスクを低減する可能性を明らかにした福岡県の“久山町研究”の研究代表である九州大学二宮利治教授による「緑茶テアニンと糖尿病」に関する講演も行われた。
左から二宮教授、沖中常務、楠本社長、福井社長