“「カルピス」みらいのミュージアム”誕生、試飲・工場見学・シアターなどで“カルピスの世界観”を体験
アサヒ飲料は、「カルピス」ブランド100周年を記念し、「カルピス」製造工場としては初めての見学施設を群馬工場(群馬県館林市)内に新設、7月23日に竣工セレモニーが開催された。一般公開は10月1日から。施設の名称は、“「カルピス」みらいのミュージアム”。名称の由来は、“「カルピス」の想い”を、これからの100年、そしてその先の未来へ、来場者とともにつなげていきたいと考えたためという。
同施設は、「カルピス」の歴史や製造工程が、知識だけでなく五感で楽しめるように、アニメーションやプロジェクション映像、そして香りの出る部屋などを用意している。まさに肌で感じる施設といえるだろう。同社は、体験を通して「カルピス」ブランドをより身近なものに感じてもらう考えだ。
“『カルピス』みらいのミュージアム”は、5つのゾーンに分けられる。まず、【エントランス】には、「カルピス」の巨大オブジェを設置し、ブランドを印象付ける空間を演出した。休憩・待合に利用できるベンチやカウンター席を設置し、くつろぎの空間も用意している。また、ミュージアムならではのオリジナルグッズを展開するショップコーナーもある。
エントランスに「カルピス」の巨大オブジェ
【はじまりのへや】は、「カルピス」ブランドの世界観を体感できるように、カルピスの創設者である三島海雲氏の内モンゴル地区での原体験エピソードをシアター形式で上映する。映像は、日本を代表するアニメーション作画監督小田部羊一氏がキャラクター原案で参加。「カルピス」の生みの親・三島海雲氏の声は、俳優の松田洋治氏が担当している。
オープンスペースには、歴代の主な広告やパッケージを展示した「カルピス」100年ギャラリー、立体展示パネルとプロジェクション映像により、製造工程を説明するコーナーなどが配置されている。
パネルとプロジェクションで製造工程を説明
【発酵のへや】では、円形スクリーンの空間を活かし、タンクに入ったかのような体験を演出し、1次・2次発酵の特徴を紹介しながら、「カルピス」独特の香りが体験できる。
発酵について聞きながら「カルピス」の香りを体験
【製造ライン見学】は、ミュージアムを出て、バスに乗って工場内を移動。実際の製造ラインで、「カルピスウォーター」などのPETボトルの製造工程を見学できる。なお、原液の製造工程や「カルピス」などのコンク飲料の充填包装工程は、ミュージアム内で上映される。
製造工程を見学
【「カルピス」ラボ(試飲ルーム)】は、同工場で生産した「カルピス」の水割りや炭酸割りを、実際に飲んで楽しめる。クイズなどで、これまで案内された「カルピス」の様々なトリビアをふりかえって思い出を共有する時間となっている。
「カルピス」の水割りや炭酸割りを試飲
アサヒ飲料の岸上克彦社長は、「この施設は、“カルピス”100周年の記念事業の一環として取り組んだ。“カルピス”を、通年でお客様に見ていただける施設を作ったのは初めて。地域の方との交流や、“カルピス”をより深く知っていただける施設を、100周年を機に設置することができて非常に感慨深い。多くの方にご来場いただき、“『カルピス』の想い”を一緒につなげていただければ幸せだ。従業員一同も、次の100年に向けて努力していく」と話した。
なお、同社の「カルピス」ブランドの販売数量は伸長を続けている。岸上社長は、「2008年から2018年まで、液量ベースで1.5倍に成長した。昨年も一昨年と比較して2ケタ以上の成長となった。“カルピスウォーター”、機能性表示食品の“カラダカルピス”など、カルピスブランドは広がっている。その意味で財務的価値は上がっている。それと同時に、われわれは社会的価値を上げていきたい。それは、健康や環境、地域の方々との共生などを大きな領域としている。“カルピス”は新鮮な牛乳から脂肪分を取り除き、発酵させた乳酸菌飲料として健康的なものであり、このような地域の方々に来ていただき交流できるミュージアムは、社会的価値を上げられると思う。このミュージアムは、まさに財務的価値と社会的価値を一緒に表現できる施設だと考えている」と話した。
“「カルピス」みらいのミュージアム”外観
〈“「カルピス」みらいのミュージアム”概要〉
▽住所=群馬県館林市大新田町166
▽休業日=年末年始と指定休日
▽一般の予約受付開始日=7月24日10時(電話での予約は8月1日から)
▽公式サイト=https://www.asahiinryo.co.jp/factory/gunma