「キリン ファイア」“火”にこだわって20周年 秋はブラック推し、PETでも高まる存在感
同社は、185g中心のショート缶のコーヒーは、市場が減少傾向にあるものの、気持ちを入れ替える際の短い休憩などでニーズが高まり、気持ちを前向きにできる価値があると捉え、注力する考えだ。10月8日のリニューアルでは、フラッグシップ商品として、「ファイア 挽きたて微糖」と「ファイア ブラック」(各185g缶)に力を入れる。
今秋もより“火のうまさ”を追求し、「新直火仕上げ製法」を採用する。商品ごとに焙煎の相性に応じた豆の種類を厳選し、味覚設計に合わせて複数の焙煎度に分けて熱風焙煎するもの。より高温の直火仕上げで香ばしい味わいを実現したという。キリンビバレッジ商品開発研究所の大塚望さんは、「中煎りと深煎り、直火仕上げとそうでないものには味覚に大きな違いがあります。製品化にあたっては、焙煎度や配合を変えて試作を繰り返して味覚を決めました」と語った。
キリンビバレッジ商品開発研究所 大塚望さん
同商品の特性を伝達するため、同社は直火焙煎で作り出す深煎りコーヒーが人気の喫茶店「但馬屋珈琲店」(東京都新宿区)で9月24日に商品試飲会を開催した。本店店長の大久保清作さんは、焙煎について解説し、「直火焙煎は、炎が直接コーヒー豆にあたるような焙煎方法であり、一方、熱風焙煎は横から熱風を送り込むような仕組みだ。直火焙煎の特徴は、コーヒーの味の輪郭がしっかり出て、コーヒーの香りや強いコクが出ること。当店は、火加減や空気の流れをコントロールする工夫により、均一の煎りを実現している。“ファイア”も直火を採用しており、その味覚は、スモーキーさとコクを感じる」と述べた。
“直火焙煎”はコーヒーの香りや強いコクが出るという(画像は但馬屋珈琲店の焙煎機)
「ファイア」は、今回のリニューアルから、「挽きたて微糖」とともに、「ブラック」もフラッグシップ商品に位置付けた。マーケティング部の大竹野晋平さんは、「“ファイア”の直火のおいしさを体現した商品であり、多くの人に“ブラック”を飲んでいただきたい」とした。
なお、4月に発売したPETコーヒー「キリン ファイア ワンデイ ブラック」(600mlPET)は、発売からわずか5カ月半で5000万本を突破。PETやショート缶のブラックコーヒーで存在感を高め、コーヒー好きがどこでもおいしいブラックが飲めるニーズに応えていく考えだ。
「キリン ファイア ワンデイ ブラック」