「モンスターエナジー」、アサヒ飲料が初めて自社工場生産へ、30億円かけ缶容器の製造ライン新設

「モンスターエナジー」とアサヒ飲料 群馬工場
アサヒ飲料は12月6日、生産体制の強化を目的に、関東の主力工場である群馬工場(群馬県館林市)に約33億円をかけて製造ラインの新設と生産設備の増強を行うと発表した。新設する製造ラインでは、従来の群馬工場では製造できなかった「モンスターエナジー」を中心とする缶入り商品を製造する予定。同社が「モンスターエナジー」ブランドを自社工場で製造するのは今回が初となる。

「モンスターエナジー」ブランドは、「炭酸の刺激を楽しみたい」や「気分転換」を目的に飲用され、10~20代を中心に高い支持を得ているブランドで、アサヒ飲料が国内独占販売権を有している。これまでは国内の外部委託工場で生産していたが、2018年の販売数量実績が前年比で約1.3倍に、2019年も10月まで2ケタ増で推移しているなど好調を続けていることから、今後の需要増加を見込んで投資に踏み切った。

2018年12月より着工しており、2020年1月の稼働を目指す。調合設備、充填設備、包装設備を導入し、投資金額は約30億円の見込み。外部委託工場で生産している「バヤリース」や「三ツ矢」などの缶商品の一部も、内製化が進めばさらにコストダウンが見込めそうだ。

その他、2020年5月に稼働予定のアセプティックPETラインには、約3億円をかけて省人化、省力化につながる設備を導入し、生産効率の向上を図る。具体的には、データ解析や生産工程の管理といった品質保証システムの高度化や資材の供給工程を完全自動化するという。

なお、アセプティックPETラインにはボトルの容器成形工程において、本年2月に六甲工場に世界で初導入した新型機を展開。容器形成時に発生する消費電力を約4割削減することで省エネルギー化も図る。

群馬工場は1972年の操業以来、「カルピス」「カルピスウォーター」などを製造する関東の主力工場として稼働してきた。今回、東日本エリアの基幹工場である群馬工場の生産能力を増強することで、さらなる最適生産体制の構築を目指す。群馬工場の生産能力は、これまで年間3000万ケースだったが、今回の缶容器の製造ラインが完成すると4200万ケースに拡大するとしている。