ネスプレッソ、全てのコーヒーでカーボン・ニュートラル100%、2022年までに達成へ、CO2排出削減をいっそう強化

ネスレネスプレッソS.A. カーボン・ニュートラルを2022年までに100%達成へ
カプセル式コーヒーのパイオニアであるネスレネスプレッソS.A.は9月17日(スイス時間)、家庭用および業務用の全ての事業において排出される二酸化炭素を実質的に相殺するカーボン・ニュートラルを2022年までに100%達成するための活動を強化すると発表した。同社は、「貴重なコーヒー豆を保護し、回復力のある再生コーヒー農業システムを構築すること、またコーヒー生産者がサステイナブル(持続可能)な暮らしを送れるよう促進し、循環可能な事業を築くことを目指します」としている。

カーボン・ニュートラルとは、事業者などの全事業活動から排出される温室効果ガスの排出総量を、他の場所での排出削減・吸収量で埋め合わせして、プラスマイナスゼロの状態にする取り組みだ。同社はこれまで10年以上にわたり、二酸化炭素の排出量削減に取り組み、削減目標に対する不足分はコーヒー農園やその周辺での植樹などを通じて補っていたが、新たにサプライチェーンと商品のライフサイクルに起因する二酸化炭素の排出量削減を推進していくことを明らかにした。

今後、二酸化炭素の排出量削減、コーヒー豆を調達するコーヒー農園とその周辺地域での植樹(インセット)、そして森林保全と再生の支援(カーボン・オフセットのための取り組み)という3つの取り組みを通して、さらなるカーボン・ニュートラルの達成を目指す。

ネスレネスプレッソS.A.のギヨーム・ル・クンフCEOは、「気候変動は現実に起こっている問題であり、私たちの未来はサステナビリティ(持続可能性)に対するコミットメントを、短期間でどこまで実現できるかにかかっています。そのため当社では、このコミットメントをさらに加速させ、2022年までにサステイナブルな方法で調達した品質の高い希少なコーヒー豆から作った、カーボン・ニュートラルなコーヒーをお客様にご提供したいと考えています。私はネスレネスプレッソS.A.という会社、そしてコーヒー業界全体で、この差し迫った課題に取り組むことにより、世界に良い影響を及ぼすことができると心から信じています」としている。

NGOのパートナーである「PUR Projet」のトリスタン・ルコント共同設立者は、「カーボンフットプリントの削減はあらゆる企業がプレッシャーを感じて取り組んでいる課題ですが、ネスプレッソは今回の目標や定性的なカーボン・ニュートラルのプログラムを通じて、独自に二酸化炭素の排出量削減に取り組むという強い意志をはっきりと示しています。大気中の二酸化炭素を吸収するため、2014年よりコロンビアやグアテマラ、エチオピアなどのコーヒー生産地を含め、世界中で数百万本の植樹を行い、カーボン・オフセットに取り組んでいるネスプレッソを支援していることを誇りに思います。これからもネスプレッソと協力しあって、カーボン・インセット・プログラムのキャパシティを3倍にし、あらゆる人にとって欠かせない生態系の再生に取り組んでいきます」とコメントを寄せている。

〈ネスレネスプレッソS.A.のカーボン・ニュートラル達成に向けた取り組み〉
◆二酸化炭素排出量の削減

バリューチェーンにおける脱炭素化は同社の掲げるビジョンの重要な要素の一つ。取り組み内容は、すべてのネスプレッソブティックで100%再生可能なエネルギーの利用を加速。製造工程ではバイオガスの使用拡大を目指す。そして、商品とパッケージをより循環型にし、リサイクルプラスチックを使用したコーヒーメーカーの製造拡大と、カプセルコーヒーへのリサイクルアルミニウム、低炭素バージンアルミニウム使用を増加させることが含まれている。

◆コーヒー農園とその周辺地域での植樹
樹木は大気から二酸化炭素を吸収するのに最良の方法であり、自然環境への投資と再生型農業システムの構築にも役立つ。また、木を植えることで、必要な日陰がもたらし、収穫するコーヒーの質及び収穫量が向上する。木の根は、土壌浸食や地すべりの防止に役立つという。NGOパートナーである“PUR Projet”とともに、コロンビアやグアテマラ、エチオピア、コスタリカなどのコーヒー豆生産国の植樹能力を3倍に高める予定という。

◆森林保全と再生の支援 (カーボン・オフセットのための取り組み)
よりいっそう森林の保全と再生を支援し、かつ農業コミュニティ内でクリーンエネルギーのソリューションを実践するためのプロジェクトに投資を行う。今回のカーボン・ニュートラルに関する宣言は、広範囲なサステナビリティ目標の一環で、今年中に活動の詳細を発表する予定としている。