ペットボトルのキャップを再生し化粧品の容器に利用へ/キリンとファンケル
これにより、キリンビバレッジはペットボトルのキャップの約3~4割を再利用することができ、廃棄物による環境負荷を低減することが可能となる。またアテニアは、再生樹脂を採用することで、従来の製品に使用していた新規プラスチック量の約40%を削減できる。キリンホールディングスとファンケルは、2019年の資本業務提携を契機にさまざまな共同開発を進めている。
アテニアは環境を配慮し、ボトルタイプに比べて樹脂量を約85%削減できるフィルムパウチを使ったクレンジングオイルのレフィル製品(詰め替え用品)「スキンクリア クレンズ オイル〈エコパック〉」を販売している。今回さらなる環境への配慮を踏まえ、ポリエチレン製「スパウト部」(吐出口のパーツ)に、ペットボトルのキャップに由来する再生樹脂を採用した。
再生樹脂の製造方法は、キリンビバレッジの湘南工場でペットボトル入り清涼飲料に使用するプラスチックキャップを選別回収。そのキャップの印刷を専用の機器で除去、粉砕してフレーク状(8mm角ほどの大きさ)にする。その後、溶解、混合してペレット状(均一の品質にして小さな粒状に成型したもの)に加工する。ペレット加工以降の工程からは、アテニアが生産委託している容器メーカーが実施し、ペレットを溶解し、色素を加えて再生樹脂にしたものを成型して完成させている。
再生樹脂として使用するには、キャップの選別や印刷の除去工程などに手間がかかるが、化粧品容器メーカーなどの協力を得ることで、国内の化粧品業界では初の試みとして実現できたという。
両社は、「今後もキリンビバレッジで排出されるペットボトルのキャップについて、ファンケルグループのポリエチレンを使用した製品パーツへ応用することを検討していきます。また、これだけでなく(両グループ各社の)製品特性などを生かし、さまざまな視点で環境影響に対する取り組みについて検討を進めていく予定です」とした。両グループのこれまでのノウハウを融合し、環境負荷の低減に向けた研究や技術開発を進めていく考えだ。