ラベルレス飲料 店頭で単品販売開始、表示内容はタックシールに記載/「アサヒ おいしい水」天然水 シンプルecoラベル
これまで、ラベルレス商品は、法定表示を外装ダンボールに記載していたため箱売り中心だったが、タックシールの採用でバラ売りで幅広く展開できるようになった。なお、ラベルに使用するCO2排出量は約58%削減している。
アサヒ飲料の担当者は、「シール面積を極小化することにより使用資源を減らし、“地球にやさしく、人にやさしい”を体現しました」とする。テスト販売の状況を見て、ラベルレスの取り組みをさらに推進する考えだ。
PETボトルにラベルをつけないラベルレスボトルは、アサヒ飲料が業界に先駆けて2018年にECチャネルでケース販売して以来、ラベルをはがす手間がないことや、プラスチックの樹脂量を減らせることから人気となった。
2020年からは、コカ・コーラシステムやサントリー食品インターナショナル、伊藤園などが参入し、2021年は「ポカリスエット」(大塚製薬)や「キリン 生茶」もラベルレス商品を発表するなど、市場が活性化している。
アサヒ飲料は、2020年のラベルレスボトル商品の販売数量が、コロナ禍における家庭内需要の高まりもあって、前年より2.1倍の223万箱まで拡大した。2021年は、300万箱(前年比134%)を目指す。これにより、ラベルのプラスチック樹脂の使用量は年間約70tの削減、CO2排出量は年間で約230tの削減を見込むという。
アサヒ飲料の米女太一社長は、1月26日にオンラインで行った事業方針説明会で、「プラスチック樹脂の使用量自体を減らしていく取り組みの一つとして、業界に先駆けて発売したラベルレスボトルは、2018年の発売以降、お客様の強い支持を得ることで着実に成長した。コロナ禍における巣ごもり生活においても、改めて環境にやさしく、手間が省けるという点から評価されている。いまや、各社からさまざまな商品が発売され、ひとつのカテゴリーを形成しつつあり、環境負荷低減と利便性向上の両立という新しい価値を創出することができた。2021年はすでに展開しているケース販売を前提としたラベルレスボトルに加え、4月から店頭だけでなく、自販機でも単品販売を新たにチャレンジする」と話した。
「ラベルがないからエコ」、「手間が省けてラク」と生活者から好評のラべルレス飲料。今後も各社がラインアップを拡充していく見込みだ。