“添加物なし”の機能性表示食品、お茶・コーヒーのトップメーカーが投入、伊藤園は緑茶の茶葉、UCCはコーヒーバッグを展開
伊藤園は、日本茶の茶葉(リーフ)製品として、機能性表示食品の「一番摘みのお〜いお茶」(100g)を3月15日から発売した。「一番摘みのお〜いお茶」は、日本で初めてお茶の葉だけで作られている機能性表示食品で、成分を何も添加していないことが特徴。天候や栽培環境によってそれぞれ異なる原料茶葉のカテキン量を担保しながらも、渋みと旨みのバランスを考慮した茶葉の選別や火入れにすることで、毎日続けておいしく飲めるような設計にしたという。
これは、カテキン研究を35年以上続けていることや、荒茶取り扱い量が国内トップ(28%、2020年)であることなどの知見や調達力なども活かされている。
機能性関与成分は、ガレート型カテキン340mg(抽出後)。届け出表示は「本品にはガレート型カテキンが含まれます。ガレート型カテキンには、BMIが高めの方の体脂肪を減らす機能があることが報告されています」。
2020年の日本茶(包装茶)市場は、おうち需要・健康需要で13年ぶりにプラスとなっている。伊藤園マーケティング本部の吉田達也ブランドマネジャーは次のように語る。「お茶の良さが注目されている。新商品の投入で、一番茶のおいしさや健康性、楽しさなどのお茶の価値を多くの人に広めていきたい」。
家庭用レギュラーコーヒーでナンバーワンのUCC上島珈琲は、家庭用レギュラーコーヒー製品として「UCC 珈琲生活 コーヒーバッグ 水出しアイスコーヒー 4袋」を3月8日から発売している。「UCC 珈琲生活 コーヒーバッグ 水出しコーヒー」は、日本初となる原材料コーヒー豆のみのレギュラーコーヒー100%の機能性表示食品。
機能性関与成分は、コーヒー由来クロロゲン酸類。一日摂取目安量 118mg/200ml(抽出後)。届け出表示は、「本品にはコーヒー由来クロロゲン酸類が含まれます。コーヒー由来クロロゲン酸類は食後の血糖値上昇を緩やかにする機能が報告されています。食後の血糖値が気になる方に適した食品です」。
UCC上島珈琲マーケティング本部の豊田友希さんは次のように語る。「生豆の状態が一番クロロゲン酸類量が多く、焙煎するほど少なくなる。つまり、おいしさを引き出しつつ、クロロゲン酸類量を担保することは難しい。新商品開発に向けては試作回数が50回以上になった。しかし、UCCが培ってきた焙煎・ブレンドの技術を駆使することにより、クロロゲン酸類量の担保とおいしさの担保が可能になった」。
また、製品ロットごとにコーヒー由来クロロゲン酸類量を確認していることも特徴だ。R&D本部の杉山結樹子さんは、「コーヒーは農作物なので、ロットごとにしっかり調べ安心して飲んでいただけるようにした」と話す。
お茶もコーヒーも、トップメーカーが長年の知見を活かして無添加の機能性表示食品を発売した。それは、新しい機能性表示食品で市場ニーズに応える意図とともに、緑茶やコーヒーそのものが健康価値が高いことを示し、市場そのものを活性化するねらいだ。