伊藤園「充実野菜」大型サイズ大刷新、環境配慮のECOボトル導入、他の野菜飲料でも順次
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伊藤園マーケティング本部野菜・果汁ブランドグループブランドマネジャーの山口哲生さんは、環境に配慮したECOボトルの導入について次のように語る。「本来なら導入までに1年以上かかるところ、アフターコロナに向けて開発を急ピッチで行った。協力会社の努力もあり、業界初で野菜飲料の大型ペットボトル製品を発売できることになった」。
伊藤園は野菜飲料で他社に先駆けた取り組みを行っており、新しい価値の提案にチャレンジしてきたことで知られる。環境面においても、2014年には小型紙容器(レンガ型紙パック)で初となるアルミレスECOパック、2021年6月からは伸縮ストローで初となる生分解ECOストローを導入するなど、ECO資材を積極的に採用している。今回は、プラスチック問題への対応をより強化した。
また、ECOボトル導入に合わせ、大型サイズの容量を、最後までおいしく飲み切れる最適な容量として、740gペットボトルへ一新している。これは、単身者や二人世帯の増加による世帯人数の減少や、ライフスタイルの変化に合わせたものという。調査によれば、野菜飲料の飲用者は50〜60代の中高年層が多く、3〜4日間で飲む量は平均718ml。お客様相談室には昨年、開栓後の野菜飲料の賞味期限に関して100件を超える問い合わせがあり、既存の930mlを飲み切れないという声が多いという。
「充実野菜」ブランドは、今回の刷新から製品ラインアップも拡大している。野菜をおいしく補えるという「充実野菜」のコンセプトのもと、「充実野菜 緑黄色野菜ミックス」「充実野菜 緑の野菜ミックス」「充実野菜 キャロット100」に加え、トマトがおいしく飲めるトマト100%飲料の「理想のトマト」も同ブランドに加えた。
山口さんは、「伊藤園の野菜飲料は、“おいしさ・栄養・安心”に加えて、“環境”を追求し、持続可能な社会の実現とお客様の健康で豊かな生活に貢献していく」と話した。
コロナ禍で野菜飲料市場の2020年実績は微増だった。健康習慣や免疫が注目される中で、野菜の栄養への関心が高まったことが要因だ。
イエナカ消費が拡大したことで、野菜飲料は大型サイズの需要が復調している。そして、レジ袋の有料化をきっかけに環境意識も高まっている。伊藤園の野菜飲料の大型サイズ刷新は、アフターコロナに向けた対応を強化する取り組みといえる。