「紅茶花伝」がレモンティーに注力するワケ、2年連続でレモンティーの新製品を発売/コカ・コーラシステム
「紅茶花伝」ブランドは、昨年に「紅茶花伝 クラフティー レモネード」を投入したが、今年は直球勝負でレモンティーを出した。なぜこれほど急いでレモンティーの強化を図っているのか。
日本コカ・コーラ社マーケティング本部の柴田啓佑さんは、「レモンティーで存在感を示すことにより、“紅茶花伝”がミルクティーだけでなく、上質な紅茶のブランドだと思っていただけるのではないかと考えた」とする。
コロナ禍以降、大なり小なりストレスを抱える人が増え、飲料や食品においてレモン系の商品の販売が伸びている。急いでレモンティーを強化した理由には、紅茶飲料のカテゴリーではミルクティーの次に、レモンティーが大きな販売構成比であることも背景にあるという。
紅茶飲料のレモンティーといえば、トップシェアの「午後の紅茶 レモンティー」の印象が強く、ユーザーはカフェで飲むようなレモンティーと異なる紅茶飲料ならではの味覚を求めている。そこで、ほどよい甘さとしっかりした爽やかさが必要であると受け止め、しっかり紅茶飲料のレモンティーのユーザーが求める、ど真ん中のレモンティーを提案したのが新商品の「紅茶花伝 クラフティー 贅沢しぼりレモンティー」だという。
日本コカ・コーラ社が2020年10月に発売した「紅茶花伝 クラフティー レモネード」は、トライアルは多かったもののリピート購入の面で課題があった。本格的なレモネードを目指していたことから、苦味を含んだレモンそのものの印象のある味覚設計にしたため、甘い味わいを想定して飲んだユーザーの期待とギャップがあったという。
そこで、新商品「紅茶花伝 クラフティー 贅沢しぼりレモンティー」の開発にあたっては、改めてレモンティーユーザーがレモンティーに求めているものを調査し、紅茶感よりも、爽やかさと、ほどよい甘さ、そして酸味を重視していることを参考にした。甘さと酸味のバランスを整えるとともに、爽やかさの面では、瀬戸内レモンエキスという素材を新たに使用し、味わいだけでなく、感覚的にも爽やかさを付与している。女優の小芝風花さんを起用したテレビCM「瀬戸内からやってきた」篇も、爽やかさの訴求につながっている。
日本コカ・コーラ社の柴田さんは、「“紅茶花伝”はミルクティーに関しては、“紅茶花伝 ロイヤルミルクティー”がずっと人気でトップブランドに迫る勢いだ。しかし、2番目に市場で構成比の大きいレモンティーでは存在感がしっかり示せていない。そこで2020年も“レモネード”を投入したが、さらにお客様からしっかり選んでいただける商品を出したいと考えた」とする。
「紅茶花伝」ブランドは、2021年1-9月の販売実績が2ケタ増になった(スーパーやコンビニエンスストアなどの手売りチャネルの実績)。紅茶飲料市場が約4%減で推移していることを踏まえると、非常に好調に推移しているといえる。既存品の販売が順調だったことと、今年3月に発売した「紅茶花伝 無糖ストレートティー」の導入、そして、人気グループBTSのキャラクター「TinyTAN」コラボキャンペーンなどが寄与した。
紅茶飲料市場で存在感をさらに高めるため、2021年3月に発売して売り上げ増加に寄与した「紅茶花伝 無糖ストレートティー」(440mlPET他)は10月11日から新パッケージに変更した。高い評価を得ていた味わいはそのままに、より無糖紅茶らしさを訴求するため、パールホワイトの背景に黒でメリハリをつけるとともに、“無糖”というワードのフォントを変更したという。
コカ・コーラシステム「紅茶花伝 無糖ストレートティー」
「紅茶花伝」は、ミルクティーとフルーツティーに関してはすでに強いブランドだ。これらに加え、定番化しきれなかったレモンティーと、新提案の無糖ストレートティーを定着させることができれば、総合的な紅茶飲料ブランドとしていっそう存在感を増しそうだ。