ミネラルウォーターの生産量が3年連続過去最高、市場は10年間で約1.5倍に
2022年(1-12月)のミネラルウォーターの生産数量は、国産品が前年を大きく上回り、3年連続で過去最高となった。一般社団法人日本ミネラルウォーター協会が3月29日に発表した生産・輸入数量の調査結果によると、2022年度のミネラルウォーター類の国内生産量は446万1325キロリットル(前年比107.4%)、輸入量は24万9636キロリットル(前年比86.8%)で、合計471万961キロリットル(前年比106.1%)だった。市場規模は20年間で約3.5倍、10年間で約1.5倍となった。
新型コロナウイルス3年目となる中、国産品は、家庭での需要に支えられて3年連続で伸長した。一方、輸入品は、飲食店の営業時間短縮が影響しており、3年連続で減少している。
金額では、国内生産が3714億800万円(前年比111.9%)、輸入が156億9700万円(前年比114.6%)となり、合計で3871億500万円(前年比112.0%)となった。
日本ミネラルウォーター協会は、市場が拡大している背景について次のようにコメントしている。「昨年、一昨年と続いているコロナ下におけるミネラルウォーター類の生産数量の動向をみても、お客様が生活の中の飲料水として受け入れて下さっている結果だと思っています。今やミネラルウォーター類は、料理や乳児用ミルクにも使用されるなど、日常の生活の中での必需品となってきていることを改めて実感した次第です」。
「地下水を起源とするミネラルウォーター類がさらに成長するためには、資源を枯渇させない取り組み、すなわち水源の保護・涵養(ゆっくり養い育てること)が何よりも大切になります。私たちの商品は自然からの恵みであることを深く認識し、地下水保全・環境保全に努めていくことが一層求められると思います」。
2011年の東日本大震災以降、さらにここ数年の地震や豪雨による災害の多発もあり、ミネラルウォーター類の「生命を守る水」としての役割が重視されている。万が一のための保存水として備蓄が進められているが、食品ロス削減の観点から、備蓄の方法にも様々な工夫が求められるようになっている。
なお、日本国民1人あたりの年間消費量[(国内生産量+輸入数量)÷人口]は、2022年は37.7リットル/年となった。前年より2.3リットル増加し、5年前より9.3リットル増加している。ただし、アメリカ(121.0リットル/年、2021年調査)やドイツ(109.5リットル/年、同)、イタリア(190.2リットル/年、同)などの諸外国に比べると、日本はまだ低い水準となっている。